企業の採用活動に役立つツールの一つに、紙に印刷する形で作る「採用パンフレット・入社案内」があります。
多様な場面で活用されているパンフレットですが、「パンフレットにはどんなメリットがあるの?」「採用サイトがあるのに、わざわざ紙の冊子まで作る必要性は?」などと疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで本記事では、採用活動における採用パンフレット・入社案内の必要性や、制作するメリット、実際の活用場面などを詳しく解説します。
制作のポイントや制作依頼先・費用も紹介しているので、採用パンフレット制作を検討中の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
採用パンフレットとは
まずは、採用パンフレットとはどのようなものか、その目的や、どんなシーンで活用されるのかについて説明します。
採用パンフレットの目的と役割
採用パンフレットとは、求職者に向けて企業の特徴や魅力、仕事内容、働く環境などを伝える採用ツールの一種です。
採用パンフレットの最大の目的は、自社の文化や価値観を明確にし、求職者に理解や共感を促すこと。
同時に、仕事のやりがいや福利厚生、キャリアパスなどに関する具体的な情報を提供し、求職者の興味を喚起します。
採用パンフレットを通して自社の魅力を存分に伝えることにより「ブランディング」や「認知拡大」を実現し、その先には、より多くの人材を惹きつけて「応募者数アップ」へつなげることを目指します。
採用パンフレットの主な活用シーン
採用パンフレットは、主に求職者に配布するツールとして活用されますが、具体的には以下のようなシーンで使用されています。
- キャリアフェア・就職イベント
- 会社説明会
- 面接前(面接準備用の資料として)
- 新入社員研修
- 内定後のフォロー
- 学校や大学訪問
採用パンフレットは、手渡しできる「紙の冊子」である利点を生かし、さまざまなイベントやシーンでの活用が可能です。
採用パンフレットの必要性
ここからは、採用パンフレットの必要性について詳しく見ていきましょう。
採用活動に採用パンフレットを導入するメリットについて、「採用サイト」などのWeb媒体との違いもあわせて説明します。
採用パンフレットのメリット
採用パンフレットには、大きく以下のようなメリットがあります。
- PR・ブランディング
- 安心感・信頼感の醸成
- リマインド
- 応募者のモチベーションアップ
それぞれの要素について、詳しく説明します。
PR・ブランディング
採用パンフレットでは、魅力的なデザインや内容(コンテンツ)を通じて、企業の独自性や価値観を伝えることができます。
自社のポジティブな側面を目に見える形で伝えやすく、ブランディング強化に役立ちます。
また、印刷物として形に残るパンフレットには長期的な価値があります。
パンフレットを用意しておくことで、求職者が自社広告を目にしたりWebサイトを訪れたりする以外の機会でも、企業情報が浸透しやすくなると考えられます。
安心感・信頼感の醸成
採用パンフレットに掲載する情報を通して、求職者に対して安心感や信頼感を与えられることも、採用パンフレットのメリットです。
ただし、このメリットを最大化するために大切なのは、できる限り「リアル」で「具体的な情報」を伝えることです。
求職者は、企業の深い情報に触れることで、その企業に対するイメージを強くし、より現実的な期待や意欲を抱くことができます。
多角的な情報を企業自らが発信すれば、自社の透明性や誠実な姿勢も伝わりやすくなり、求職者が自信をもって応募しやすい状況がつくれます。
リマインド
採用パンフレットは手に取りやすく、物理的な形で残りやすいことが特徴です。
説明会・イベントの場で配布すれば、その場での情報提供はもちろん、持ち帰った後にも強力なリマインドの役割を果たします。
求職者にとっては、何度もパンフレットを目にすることで企業の存在を頻繁に思い出し、選考プロセスの中でも企業の特徴や価値観に触れられます。
結果的に、求職者の関心を維持できることが採用パンフレットの重要なメリットの一つといえます。
応募者のモチベーションアップ
採用パンフレットでは、魅力的な企業文化や仕事のやりがい、働く環境などについて、生き生きとした言葉やインパクトのある画像を活用して表現します。
パンフレット上で豊かなコンテンツを提供すれば、求職者のモチベーションアップにつながります。
認知・興味を持った段階の求職者や選考中の求職者はもちろん、すでに内定が決まった人材に対しても、パンフレットで自社の魅力を情感豊かに訴えかけることにより、内定辞退や仕事への意欲向上の効果も発揮できます。
採用サイトと採用パンフレットの違いは?
採用サイトと採用パンフレットは、企業が採用活動を行う際に使用されるツールであり、それぞれ異なる特徴があります。
媒体形式やアクセス手段の違い
採用サイトと採用パンフレットの最もわかりやすい違いは、媒体の形式やアクセスの手段といえるでしょう。
採用サイトはWebサイトとして、動画や文章、写真などの多様なコンテンツを含んだ情報を発信します。
それに対し、採用パンフレットは印刷物として作成され、静的なメディアとしてビジュアル(写真・イラスト)とテキストの組み合わせで情報を伝えます。
採用サイトは、インターネットを介して広くアクセス可能ですが、採用パンフレットは基本的にオフラインで、イベントや郵送、手渡しなどの場で物理的に配布されます。
情報量・更新頻度の違い
さらに、情報量や更新の頻度にも違いがあります。
採用サイトには紙面のような枠の制約がないため、豊富な情報を提供しやすく、動画やリンクを通じてより深い情報を提供することも可能です。
場合によってはリアルタイムで情報が更新されるなど、サイトを通じて、継続的に新しい情報入手がしやすいです。
一報、採用パンフレットは限られたスペースやページ数内で情報をまとめます。
いったん制作し、印刷まで済ませた冊子に後からコンテンツを追加することは困難で、もし情報を大きく変えたい場合には再制作・リニューアルをすることになります。
使い分けるポイント
このように、採用サイトと採用パンフレットにはさまざまな違いがありますが、決してどちらのほうが優れている・優れていないといったものではありません。
重要なのは、自社の採用目的・ターゲットに沿って、最適な採用ツール(メディア)を選択することです。
なお、異なるメディアを組み合わせて情報を発信すれば、多様なターゲット層にアプローチしやすくなる、各メディアの強みを生かしてPRできるなど、採用効果を高めやすいことも知っておきましょう。
採用パンフレットの構成と内容
採用パンフレットは、主に以下の要素で構成されます。
- 表紙
- 会社紹介(事業内容・理念・ビジョンなど)
- 採用コンセプト(求める人物像)
- 社員紹介(先輩の声)
- 教育・研修制度、キャリアアップの例
- 採用情報(募集要項・福利厚生・待遇・選考フロー)
- 求職者へのメッセージ
各要素について詳しく説明します。
表紙
表紙は、まさにパンフレットの顔となる要素です。
手にした求職者が真っ先に目にするページとなるため、どんな印象を与えたいかを強く意識して作ることが重要です。
一般的に、表紙に掲載する情報としては、企業名やロゴ、年度および媒体名(例:「●●年度入社案内」「●●年リクルーティングブック」など)です。
このほか、採用テーマやキーメッセージを印象的に伝えるために、短いキャッチコピーを掲載することもあります。
また、裏表紙は表紙との連動性を意識し、冊子全体の統一感が出るデザインに仕立てます。
会社紹介(事業内容・理念・ビジョンなど)
パンフレット前半では、自社紹介となる情報を主に掲載するとよいでしょう。
事業内容のほか理念やビジョンも含めて、どんな存在意義をもった会社なのかや、自社が大切にしている価値観について伝えます。
なお、事業紹介に関しては、業界・業種によっては求職者にあまり馴染みがなく、理解されづらい場合があります。
過度な専門用語や業界特有の表現は極力控え、どんな求職者でもスムーズに理解しやすい内容にまとめましょう。
採用コンセプト(求める人物像)
採用ツールとして活用する採用パンフレットでは、自社が求める人物像を明確にし、採用コンセプトをわかりやすく発信することも重要です。
「どんな人と働きたいと考えているのか」に関するメッセージを、求職者が具体的にイメージできるように、丁寧に伝えましょう。
社員紹介(先輩の声)
自社の雰囲気・文化をより鮮明に伝えるために、実際に活躍する社員の姿を掲載するのも効果的です。
現場の社員を何人かピックアップして、入社理由や仕事のやりがいなどに関するインタビューや、1日の流れを紹介するコンテンツにまとめるのがおすすめです。
なお、職種や入社年次、キャリア志向などが異なる社員が登場することで、自社の多様性やオープンな雰囲気を伝えることができます。
社員のリアルな声・姿を届けることは、求職者のモチベーションアップや入社後のミスマッチ軽減にも役立ちます。
教育・研修制度、キャリアプラン
教育や研修に関する制度紹介、またキャリアアップの具体例も、採用パンフレットに入れ込みたい要素の一つです。
この会社に入ることでどんな活躍の機会があり、どのように成長していけるのか、前向きにステップアップできるイメージが湧くように説明しましょう。
自社のキャリアアップに関する支援制度や取り組みについて紹介すれば、人材育成に熱心であることも伝えられます。
採用情報(募集要項・福利厚生・待遇・選考フロー)
募集要項や選考フローなど、採用に直結する情報は、漏れがないようにわかりやすくまとめて掲載しましょう。
とくに福利厚生や待遇は多くの求職者が最も気にする要素であるため、数字や内容を明確に示すことが重要です。
また、福利厚生については、自社の魅力・他社との差別化を打ち出しやすいポイントです。
働きやすい環境・仕組みづくりなど、自社がとくに力を入れているポイントがあれば、ぜひ積極的にアピールするように心がけるとよいでしょう。
その際には、会社目線だけではなく、働く社員にとってどんなメリットがあるのかも、きちんと入れ込むことがポイントです。
求職者へのメッセージ
採用パンフレットは、自社の情報をわかりやすく示す媒体であると同時に、「こんな人と一緒に働きたい!」という、企業から求職者への熱い思いを伝えるための絶好のツールでもあります。
求職者の印象にしっかりと残すことを意識し、自社の魅力や思いが最も伝わるメッセージを考えて掲載しましょう。
必要情報だけが羅列してある無機質なパンフレットにするのではなく、求職者の心に響くコンテンツを心がけたいです。
採用パンフレットの制作のポイント
ここでは、採用パンフレットのメリットをより大きく引き出すための制作のポイントについて説明します。
以下のポイントを参考にし、計画的に制作を進めていってください。
活用シーンとターゲットを決めておく
まずは、自社の採用戦略にもとづき、採用パンフレットの目的や使用シーン、ターゲットをイメージしておきましょう。
採用パンフレットは、説明会に参加した求職者への配布のほか、キャリア関連のフェアやイベント、学校訪問など、さまざまな場面で活用できます。
自社の価値観・ブランドを視覚的に伝える重要なツールとなるため、どのように活用したいかをできるだけ具体的に考えることが大事です。
先に設定した目的・ターゲットに沿って、パンフレットに掲載するコンテンツを決めていくのが望ましい流れです。
制作スケジュールに余裕をもつ
採用パンフレットの制作プロジェクトでは、十分なスケジュールを確保しておくことが大事です。
印刷物であるパンフレットはWebサイトとは異なり、発行後にミスや違和感に気づいても、すぐに直すことは基本的に不可能です。
あまりに急ぐと企画構成が不十分で質の高いパンフレットに仕上げることが難しくなってしまいますし、作りなおしをした場合には余計なコストがかかります。
本当に満足のいくパンフレットを細部まで丁寧に仕上げるために、時間的な余裕をもちましょう。
なお、制作を専門会社に依頼する場合の期間目安は最低2~3か月ですが、ページ数や内容によっては、それ以上の時間が必要になる場合もあります。
企業理念やビジョンとの一貫性を保つ
採用パンフレットでは、企業の理念やビジョンと一貫性があるデザインや表現を心がけましょう。
そうすることでブランドイメージの統一感が生まれ、求職者は「この会社はこういう価値観・文化をもっている」と、より強く実感しやすくなります。
また、掲載する情報については、他の採用媒体(採用サイト・求人広告など)と齟齬がないように留意することも大事です。
仕様や紙質、色・デザインにもこだわって自社らしさを出す
採用パンフレットならではの魅力は、書かれている情報そのものに加え、手に触れたときの質感や形などでも、求職者に強い印象を与えられることです。
コンテンツが大事なのはもちろんですが、紙媒体の特性を理解し、パンフレットの仕様や紙質・色彩・デザインにもしっかりとこだわって、自社らしさを出すとよいでしょう。
パンフレットの仕様は8ページや12ページなどで構成されるA4・中綴じの冊子形式が一般的ですが、A3サイズを3つ折にしたもの、正方形のものなど、さまざまな選択肢があります。
用紙や色の使い方ひとつとっても与える印象は変わってくるため、ぜひ自社の魅力やイメージがよく伝わる形を検討してください。
ビジュアルや言葉の一つひとつを大事にする
採用パンフレットのコンテンツは、ビジュアルと言葉の両方を重視し、相互に補完するような表現を心がけるとよいでしょう。
見た人にとってわかりやすく、魅力的な情報伝達ができるように工夫します。
なお、パンフレットは「企業の顔」ともいえるものです。
伝えたいメッセージを的確に伝えるためには、プロのクリエイター(デザイナーやコピーライターなど)への協力依頼を検討することをおすすめします。
プロの専門知識を活用することで、より効果的なパンフレットをつくりあげることができます。
採用パンフレットの活用シーン
採用パンフレットは、さまざまなシーンや採用活動の段階で活用することができます。
ここでは「母集団形成・ブランディング」「選考前・選考途中」「内定後」の3つの段階に分けて、それぞれの具体的な活用方法や活用のポイントを解説します。
母集団形成・ブランディング
採用パンフレットの活用シーンとしてまず挙げられるのは、母集団形成・ブランディングを目的とした場です。
具体的には、以下のような場面での活用が考えられます。
- 合同説明会や就職・転職イベントでの配布
- 自社開催の会社説明会の場で配布
- 学校訪問やキャリアセミナーの資料として使用
- Web上で公開
採用パンフレットは、就職・転職の合同説明会やキャリアフェアといった各種イベントで活用できます。
多数の企業が出展するイベントの場では、どうしても話せる時間・内容は限られてしまうでしょう。
しかし、パンフレットを渡すことで企業の魅力や雰囲気を詳しく伝えられ、自社への興味や関心を高めてもらうことができます。
また、自社開催の会社説明会参加者にパンフレットを配布すれば、当日のプレゼン内容が補完されることはもちろん、後日のリマインドを促せます。
このほか、採用パンフレットは大学などの学校訪問やキャリアセミナーで、学生や求職者に向けて企業の情報を伝える際にも利用できます。
さらに、より広い求職者に対して自社の情報を届けるためには、採用パンフレットの一部または全体をPDF化したものを、自社採用サイトなどのWeb上に掲載するのも効果的です。
選考前・選考過程
採用パンフレットは、実際に応募をして選考に進む求職者の企業理解や、志望動機の醸成にも適しています。
たとえば、以下のような場面での活用が考えられます。
- 面接前の説明会で利用
- 選考通知や招待状に同梱
- オンライン版パンフレットをオンライン面談で使用
各選考段階において会社情報を詳しく伝えるツールとしても、採用パンフレットは十分に活用できます。
たとえば、面接に進む求職者を対象とした説明会でパンフレットを用いれば、企業理解を深めてもらううえで役立ちます。
また、次の選考ステップの案内を郵送で通知する際に採用パンフレットを同梱することにより、志望動機の醸成やモチベーションアップの効果が期待できます。
求職者の多くは同時に複数の企業を比較して選考を受けるため、自社の志望度を高めてもらうためには、自社の魅力や働くイメージが高まるコンテンツを掲載することが大事です。
なお、最近はオンライン面談を実施する企業も増えています。パンフレットを電子化したものもあわせて用意し、オンライン面談中に情報提供・共有などの目的で使うのもよいでしょう。
内定後
採用パンフレットは、内定者に対するフォローや情報提供のツールとしても活用できます。
一般の求職者向けのパンフレットとは別に、内定者向けのパンフレットを制作する企業もあります。
内定者向けパンフレットには、通常、代表・人事担当者のお祝いメッセージや先輩社員の声など、入社後の期待が高まるようなコンテンツを取り入れます。
内定を出してからも引き続き自社の情報を積極的に提供し、仕事のやりがい・魅力をイメージしてもらうことで、内定者のモチベーションアップや不安の軽減につながります。
また、内定者本人に加えて親御さん(家族)へのフォローにも、採用パンフレットは役立ちます。
「働き方改革」や「ブラック企業」などの話題が頻繁に取り上げられるようになった近年では、「親(家族)の反対」を理由として内定辞退をする例も増えています。
そのため、現代の企業は、内定者の身近な人々に対しても、自社の信頼性・安心感を高めてもらうための活動が不可欠になっているといえるでしょう。
内定者の親御さんに手紙とあわせてパンフレットを郵送したり、保護者向け説明会を開催する際にパンフレットを配布したりといった活用方法が考えられます。
とくに知名度があまり高くない企業や、従業員数が少ない企業・設立間もない企業では、「この会社に入って本当に大丈夫?」と思われないように先回りしてフォローすることが、内定辞退の防止につながります。
採用パンフレットの主な制作依頼先
採用パンフレットの制作には、コンテンツ企画やコピーライティング、デザインなどの専門的な知識・スキルが必要になります。
そのため、質の高いパンフレットを制作するには、専門会社に依頼するのがおすすめです。
このセクションでは、採用パンフレットの主な制作依頼先と、費用相場について解説します。
印刷会社
印刷会社は、言葉の通り、印刷を主体とした事業を手がけている会社です。
「印刷が専門」ではありますが、会社によってはパンフレット類の企画やデザイン、コンテンツ制作まで対応しています。
印刷技術や紙質に詳しいため、物理的なパンフレットの仕上がりに強みがあり、印刷まで一貫して対応できることからコストを抑えた制作も得意です。
ただし、印刷会社によってはデザイン面を担当するのがDTPオペレーターで、専門のデザイナーは存在しない場合があります。
その場合でも、シンプルかつ決まったフォーマットでの制作は問題なくできますが、洗練されたオリジナリティあふれるデザインを求める場合、別途デザイン会社などとの連携が必要になるかもしれません。
デザイン会社
デザイン会社とは、グラフィックやWebといった各領域で、デザインを中心とした事業を展開する専門会社のことです。
実績豊富なスキルレベルの高いデザイナーやアートディレクターが在籍していることが多く、「デザインの質の高さ」を重視したい場合の依頼先として適しています。
なお、デザイン会社は、スタッフ数名で運営する小さな会社から、数十人以上規模の会社までまちまちです。
企画から写真撮影、コピーライティングなどまでワンストップで自社制作に対応できる場合もあれば、一部工程は外部の協力スタッフに依頼する場合もあります。
デザイン会社によっては他の依頼先と比べて費用が高額になったり、制作時間が長めに設定されたりする場合もあるため、その点にも気をつけて検討するとよいでしょう。
編集プロダクション
編集プロダクションとは、メディアコンテンツの編集に特化した事業を展開する会社です。
出版系のプロダクションの場合、もともと紙媒体の企画・制作を多く手がけているため、パンフレットのような冊子制作にも強みがあるといえます。
また、編集プロダクションでは編集者のほか、ライターやカメラマン、デザイナーといった専門クリエイターとのつながりも豊富です。
内容(コンテンツ)重視で高い制作力を期待したい場合には、とくにおすすめの選択肢です。
ただし、編集プロダクションは会社ごとにサービス提供の範囲に違いが見られるため、採用パンフレットを得意としているかをきちんと確認しておきましょう。
広告代理店・クリエイティブエージェンシー
広告やプロモーションに幅広く携わる広告代理店やクリエイティブエージェンシーは、戦略的な視点からパンフレットの制作を提案できます。
マーケティング戦略に強く、多様な媒体との連動も得意とするため、ブランディングや広告戦略と絡めて相談したい場合に適しています。
普段から採用支援を積極的に行っている会社なら、パンフレットを含めた採用メディアの知識・ノウハウの面でも安心です。
ただし、デザインや印刷に関する専門性が他の依頼先に比べてやや劣る場合があるため、各社の強みや特徴をよくチェックしておくとよいでしょう。
フリーランスのクリエイター
採用パンフレットの制作依頼先として、フリーランスのクリエイターも挙げられます。
フリーランスに依頼する場合、直接クリエイターとコミュニケーションが取れるため、臨機応変に動いてもらいやすい、細かいニーズや変更点を迅速に伝えやすいといったメリットがあります。
また、大手のデザイン会社やエージェンシーに比べて、フリーランスの制作費用は低めに設定されるため、予算を抑えた制作を希望する場合におすすめです。
ただし、個々のフリーランスは、一般的に「デザイン」「コピーライティング」「写真撮影」など特定のスキルセットに特化して活動することが多いです。
依頼範囲によっては、複数のクリエイターと別々でコミュニケーションをとる必要性や、大規模で複雑なプロジェクトには対応しきれないことも考えられるため、プロジェクトの進行や納期に関しては十分な調整が必要です。
採用パンフレットの制作費用の相場
採用パンフレットの制作費用は、内容や構成などによって大きな差が出ます。
内容によっては10万円以下での制作も不可能ではありませんが、ひたすらこだわると数百万円を超える費用がかかることもあります。
採用パンフレットの制作費用は、主に以下の内訳で構成されます。
- 企画・ディレクション費
- デザイン費
- イラスト作成費
- 取材・原稿作成費
- 撮影費
- 印刷費
また、パンフレットの制作費用が変動する主な要素としては、以下の通りです。
- ページ数(ペラ1枚もの、8p、12pなど)
- サイズ(A4、円形、角丸形など)
- 用紙(コート紙、特殊紙など)
- 印刷(フルカラー、特色ありなど)
- 製本(中綴じ、無線綴じなど)
- 特殊加工(エンボス加工、型抜き加工など)
- 部数(100部、500部、1000部など)
どんなパンフレットを作りたいのかによって費用は大きく変わります。
その点も含め、安心して相談できる制作依頼先を探しましょう。
企画・構成から完全オリジナルでこだわって作ることも可能ですし、デザインテンプレートが用意されており、大枠の中でテキストや画像などをカスタマイズする形のシンプルなパンフレットを制作できるサービスを用意する会社もあります。
まとめ
採用パンフレットは、自社のブランディングや求職者に対しての詳しい情報提供、内定者フォローなど、さまざまな場面で活用できる採用ツールです。
Webでの情報収集が主流となっている現代だからこそ、形に残るパンフレットを配布することで、求職者に対して強い印象や信頼感を与えることができます。
なお、質の高い採用パンフレットを作るためには、企画やデザイン、コピーライティングなどの各要素において、プロの力を借りることがおすすめです。
自社のニーズや予算感に合わせ、最適な制作方法や依頼先を検討してみてください。