SNS採用広告とは?従来の求人広告との違いやメリット・デメリット、効果的な活用方法について解説

SNS採用広告とは?従来の求人広告との違いやメリット・デメリット、効果的な活用方法について解説

現代企業の採用活動では、求職者との接点づくり、コミュニケーション強化などに各種SNSが活用されるケースが増えています。

なかでも、SNS上に企業の採用情報を広告として配信する「SNS採用広告」は、企業の認知度アップ・高い情報拡散効果などが期待できるとして、大きく注目を集めています。

この記事では、SNS採用広告の特徴を紹介するとともに、従来型の求人広告との違い、SNSに採用広告を出すメリット・デメリット、注意点などについて説明します。

SNSを使って採用効果を高めたいと考えている企業の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

SNS採用広告とは

SNS採用広告とは、どのような特徴を持つ広告なのかを説明します。

近年、採用活動で積極的に活用されるケースが増えた理由についても見ていきましょう。

企業の求人・採用関連の広告をSNSに配信する

SNS採用広告とは、X(旧Twitter)Instagram・Facebook・YouTubeなどの各種SNSに、求人・採用に関連する広告を出すこと、あるいはその広告そのものを意味します。

もともと、企業の採用手法のひとつとして、新聞や雑誌といったマスメディアへの広告出稿は以前からよく行われてきました。

SNS広告も、企業が自社の認知度アップや、自社にマッチする人材との出会いを増やすために費用をかけて採用広告を出すという点では、従来型の広告と同様です。

しかしながら、SNS広告には従来の広告とは異なるターゲット層へのアプローチがしやすいといった、SNSならではの特徴があります。

以下では、SNSが注目されている理由について、さらに深く紹介していきます。

SNS採用広告が注目される理由

現代の採用活動において、SNS採用広告が注目を集めている理由はいくつかあります。

ひとつは、SNSユーザーの数の急激な増加により、たくさんの人々にリーチしやすい点です。

日本でのSNS利用者の数は8,000万人以上。とくに20代~30代のユーザーが非常に多いことから、採用関連の広告配信先としては望ましい場になっています。

参考:2022年度SNS利用動向に関する調査

SNS採用広告を出せば多くのユーザー(求職者)の目に留まるため、自社の認知度アップや、自社を知ってもらう「きっかけ」としての効果が期待できます。

また、SNS広告では、個人の興味や嗜好に合わせた広告を提供できることも特徴です。

こういった点から、さまざまな企業が採用サイトなど他の採用媒体・採用手法とあわせて、積極的にSNS採用広告を活用するようになっています。

従来の求人広告(求人媒体)との違いは?

SNS採用広告と、従来の求人広告(求人媒体)との大きな違いは、アプローチ方法やターゲット層へのリーチにあります。

従来の求人広告は、Webページや新聞、求人情報誌などに掲載され、世の中のさまざまな読者に向けて広く情報を発信します。

一方、SNS採用広告では、SNSユーザーの興味や行動、プロフィールにもとづいて、よりターゲットを絞った広告配信が可能です。

従来型の広告と比較すると、SNS採用広告では、より自社が求める人物像や狙ったユーザーに情報を届けやすいことが特徴といえます。

さらに、SNSはリアルタイム性が高く、シェアによる拡散効果も期待できます。

たとえば、広告の効果に合わせて求人情報を調整・更新したり、SNS上で直接ユーザーとコミュニケーションをとったりしやすいことも、SNSならではといえます。

SNS採用広告のメリット

SNS採用広告には、いくつかのメリットがあります。

他媒体の広告や、SNSアカウント運用との違いも含めて、SNS広告の利点を詳しく説明します。

潜在層も含む狙ったユーザーに情報を届けられる

現代はWeb上に広告を出す企業が増えていますが、SNS広告には、代表的なネット広告である「リスティング広告」とは異なるメリットがあります。

リスティング広告の場合、ユーザーがGoogleやYahoo!といった検索エンジンを使って検索した結果に連動した広告が配信されます。

そのため、基本的にはすでに自社への関心をもっている「顕在層」へのアプローチがメインです。

一方、SNSに出す採用広告は、ユーザーの年齢や性別、興味関心などの情報によって、企業側で細かなターゲティングが可能です。

ユーザー側からすると、普段SNSを使っているときに、タイムライン上などで自然と広告が目に触れる形となっています。

そのため、SNS採用広告は、自社への関心がほとんどない「潜在層」にまで積極的にアプローチし、自社の認知度アップにつなげやすいという利点があります。

コストパフォーマンスがよい

SNS採用広告は、テレビCMや雑誌広告など、従来の広告媒体に比べて、手頃なコストで配信することができます。

Web広告だけで比較しても、SNS広告は他種類の広告よりも費用を抑えやすく、企業側で柔軟に設定した予算の範囲での広告配信が可能です。

なお、SNS広告の費用が発生するのは、基本的にはユーザーが広告をクリックしたタイミングと、インプレッション数(広告が表示された回数)が一定以上になったタイミングです。

しっかりとターゲティングができていれば、低コストで高いパフォーマンスが期待できるため、あまり予算に余裕がない企業でも積極的に取り組みやすいのがメリットといえるでしょう。

多様な表現で自社の魅力をアピールできる

SNS採用広告は、テキストのみならず、動画や画像を使った多彩な形式でコンテンツを提供することが可能です。

そのため、自社の社風や価値観を多彩な表現で伝えやすく、ブランディングしやすいのが魅力といえます。

SNS上の広告はユーザーによって拡散されるチャンスがあるため、大きな話題を集めればブランド強化が図れます。

ただし、SNS広告でブランディング効果を高めるためには、誰に何を届けたいのか、広告のターゲットや目的を明確にしたうえで、一貫性のあるコンテンツの発信が欠かせません。

そして、SNS採用広告に採用サイトへのリンクを張るなどの導線をつくっておけば、広告で興味を持った求職者のさらなる企業理解、さらには応募へとつなげていくことも可能です。

SNSアカウント運用よりも即効性が期待できる

SNSを活用した採用手法は、大きく「アカウント運用」と「広告出稿」の2種類が挙げられます。

このうちアカウント運用については、地道にコンテンツ投稿を続けてフォロワーを増やし、ユーザーや求職者とのつながりを深めていくことを目指します。

フォロワーが増えないと、いくら情報を発信しても多くの人に届けるのは難しいため、中長期的な視点での運用が前提となります。

一方、SNSの広告に関しては、設定したターゲットに対して配信することができるため、フォロワー数は関係なしに多くのユーザーの目にとまりやすく、短期間での一定効果が期待できます。

認知度アップには非常に効果的といえるでしょう。

また、SNS採用広告では、その成果をデータとして集めることができます。

どのタイミングで出した広告の効果が高いか、どんなユーザーが関心をもってくれたかなど集めた膨大なデータをもとに、より質の高い採用戦略を立て、実行していける点もメリットです。

SNSアカウント運用を含めた「SNS採用」全般の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

SNS採用広告のデメリット

SNS採用広告にはさまざまな利点がありますが、同時にデメリットといえる要素も存在します。

ここでは主なデメリットを取り上げるため、メリットとあわせて採用広告を検討する際にお役立てください。

SNSの選定とターゲット設定が難しい

SNSに採用広告を出す場合は、「ターゲット設定」が非常に大事なポイントとなってきます。

自社が求める人物像とはまったく異なる層に広告を配信しても、あまり見てもらえないなど、期待する効果が出ない可能性が高いからです。

また、SNSの種類によってメインのユーザー層は異なるため、どのSNSに広告を出すのかも重要です。

SNS採用広告を出すにあたっては、自社の採用ターゲットを明確にすると同時に、各SNSの特徴を把握して目的に合うものを選びましょう。

悪い評判の拡散や炎上リスク

SNSの特徴のひとつは「情報拡散力」の高さです。

SNSに配信される広告は、通常のSNS投稿と同じように、ユーザーにシェアされて大きく広まる可能性があります。

そのため、広告にさほどコストをかけずとも大きな認知度アップにつなげられるチャンスがあります。

しかし、場合によっては、自社にとってあまり喜ばしくない形で情報が拡散されてしまうかもしれません。

悪い評判が広まれば、いわゆる「炎上」につながってしまうおそれもあるため、ユーザーの誤解を招きそうな言葉づかいや差別表現など、広告の表現・内容には十分に気を付けましょう。

SNS採用広告は、良くも悪くも拡散されやすい点を理解したうえで、活用していくことが重要です。

魅力的なコンテンツを作る必要がある

SNS広告は、ターゲットユーザーがSNSを利用する中で、自然に目にしてもらいやすい形で配信することが可能です。

しかし、SNSには膨大な情報が溢れているため、広告内容が魅力的でなければ流されてしまうことがほとんどです。

SNSに採用広告を出す場合には、ユーザーを惹きつけるためのコンテンツ作成に力を入れなくてはなりません。

あまりに過激な内容は炎上してしまう可能性がありますが、どうすればユーザーの目に留めてもらうことができるのかをよく考えて、画像の選定やレイアウト、コピーライティングにも力を入れることが重要です。

継続的な効果測定や改善が必要

SNS採用広告を出す場合、配信後の効果測定や改善にリソースを割かなくてはならないことも大変な一面といえるでしょう。

SNS広告でよい効果を出すためには「PDCAサイクル」が大事です。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)それぞれの頭文字をとったものですが、計画や実行には力をかけても、評価以降はどうしても疎かになってしまいがちです。

ですが、SNS広告は一回でうまくいくとは限らないため、効果測定と改善を繰り返すことで、より費用対効果の高い広告運用ができるようになります。

時間をかけてでも配信した広告がきちんと見られているのか、どのような成果につながっているのかを分析し、期待する効果が出てなければ問題点を明らかにすることが重要です。

SNS採用広告の種類と特徴

SNSにはさまざまな種類があり、自社に合うプラットフォームを選択して広告を出すことができます。

ここでは、代表的なSNS採用広告の種類や特徴、メリット・デメリットについて説明します。

X(旧Twitter)広告

X(旧Twitter)は、SNSの中でもユーザー数が多く、魅力的なコンテンツを提供すればリポスト機能による高い拡散効果が期待できます。

リポストされた広告には費用は発生しないため、低コストで大きな効果が得られるチャンスがある点がメリットです。

年齢・地域・性別といった属性のほか、キーワードによるターゲティングも可能です。

Xは幅広い世代に親しまれていますが、とくに10代~20代の若年層向けの広告を出したい場合におすすめです。

Facebook広告

Facebookは、実名制のSNSです。

そのため、Facebook広告では、個々ユーザーの地域や趣味関心、学歴といった登録情報をもとに、他SNS以上に細かく正確なターゲティングがしやすいのがメリットです。

幅広い世代に利用されており、ビジネス利用も多いことから、社会人向けの採用活動を行いたい場合にもおすすめです。

クリック課金は100円からスタートできるため、コストを抑えてスタートしたい企業にも向いています。

ただし、予算を低く設定しすぎると広告表示回数やクリック数が減る、競合広告にオークションで負けるといった可能性があるため、注意が必要です。

効果的な運用のためには、効果測定まで細かく行って設定を調整していくことが重要です。

Instagram広告

Instagram広告は、若年層や女性ユーザーに積極的にアプローチしたい企業に向いています。

Instagram広告の魅力として、Facebook広告と同様に細かなターゲティングができることと、タイムラインやストーリーズ機能などにより、いかにも広告っぽくない自然な見せ方ができる点が魅力として挙げられます。

ただし、InstagramはXと比べると拡散力は低めで、画像や動画コンテンツが中心となることから、魅力的なコンテンツを提供できないとすぐに流されてしまう可能性が高いです。

Instagram広告を出す場合には、他のSNS以上にコンテンツ作成に力をかけることが重要です。

LINE広告

LINE広告のメリットは、SNSのなかでも圧倒的に多くのユーザーに対して情報を届けられることです。

日本国内におけるLINEの月間ユーザー数は9,500万人(2023年6月末時点)。

コミュニケーションツールとして日常的に頻繁に使うユーザーが多いため、幅広い層に効果的に広告配信をしたい企業に適しています。

ただし、LINE広告は審査が厳しめで、NG業種・商材に該当する場合は広告を出すことができません。

また、拡散力はやや低めとなるため、高い拡散効果を期待する場合は他のSNSを検討するほうがよいでしょう。

TikTok広告

TikTok広告は、トレンドに敏感な若者に情報を届けたい企業におすすめです。

TikTokは10代~20代のユーザーが多く、カジュアルな雰囲気が好まれやすいため、親しみやすさを強く打ち出したい場合や、社内の雰囲気を楽しく伝えたい場合にも向いています。

TikTok広告はBGMやアニメーションといった要素をふんだんに盛り込めんだショートムービー形式となるため、訴求力の大きな広告配信が可能です。

印象的な広告を配信すれば、TikTok内の機能によって、そのままXやInstagramなど他SNSに拡散されるチャンスもあります。

SNS採用広告を出す際の注意点・活用のポイント

ここでは、SNS採用広告を出す際の注意点や、SNS採用広告を活用するポイントを解説します。

費用対効果の高い広告配信を行っていくために、以下のポイントに気をつけてみてください。

広告の目的とターゲットを明確にする

SNS採用広告を出す際には、まず広告の目的とターゲットを明確にしましょう。

目的やターゲットが定まっていないと、自社に最適なSNSの種類や、広告コンテンツの内容も決めることができません。

また、SNS広告は比較的低予算で取り組めるものも多いですが、どの程度の費用をかければ目的にふさわしい効果が得られるのか、きちんと考えてスタートすることをおすすめします。

魅力的な広告コンテンツを用意する

SNS採用広告は、従来型の求人広告よりも細かくターゲット設定をし、潜在層にまで自社の情報を届けやすいことがメリットです。

しかし、SNSでは膨大な情報が流れ続けるため、ユーザーにとって魅力的なコンテンツでなければ、すぐに流されてしまいます。

ただ広告を出すだけでは思うような効果を出せない場合があるため、ターゲットを意識したうえでクリエイティブ面も工夫し、ユーザーの目を引くコンテンツづくりに注力しましょう。

広告の導線を意識して遷移先ページまで作り込む

SNS広告を配信する際には、広告の導線・遷移先ページの作り込みまで意識しておくことが重要です。

SNS広告のユーザー側のメリットとして、興味がある広告が目に留まったらクリックし、遷移先のページで詳しい情報をすぐにチェックできる点が挙げられます。

しかし、もし遷移先ページに必要な情報が掲載されていなかった場合、SNS採用広告で興味をもった求職者がいたとしても、そのまま自社への関心を失ってしまう可能性が高いです。

なお、SNS採用広告の一般的な遷移先は、採用サイトや会社説明会・インターンシップなどの案内ページとなります。

広告から何につなげたいのかをよく検討し、遷移先ページの作り込みまできちんと手掛けておきましょう。

効果測定やテストを繰り返して改善する

SNS採用広告は、一度出しただけではうまくいかないケースも多いです。

広告配信の結果はデータとしてチェックすることができるため、定期的に効果測定を行い、内容を都度調整していくことが重要です。

クリエイティブに関しては、キャッチコピーや画像、カラーなどを変えた広告で積極的に「A/Bテスト」を行い、どのパターンが最も注目されるかをチェックするのも効果的です。

試行錯誤しながらテスト、改善を繰り返すことで、より高い精度で広告を出せるようになっていきます。

まとめ

SNS採用広告は、同じSNSを使った採用活動でも、地道にフォロワーを増やしていくアカウント運用と比べると、短期間で一定の効果を出しやすいのがメリットです。

「より広い潜在層へのアプローチ」や「認知度アップ」などの明確なゴールがある場合は、SNS採用広告を出すこともおすすめです。

ただし、SNS採用広告でよい効果を出していくためには、自社の採用ターゲットを明確にし、狙ったターゲット層に合うSNSに広告を出すことが重要です。

また、広告配信後には効果測定や改善も続けていくことで、費用対効果の高い広告運用ができるようになるでしょう。

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