近年、採用活動を成功させるために、多くの企業が積極的に活用するようになっているのが「採用動画」です。
採用動画にはさまざまな種類・内容がありますが、本記事では、30秒~60秒以内を目安とした短尺の動画「ショート動画」について紹介します。
SNS採用との相性もよく、自社に対する認知拡大や興味喚起などの効果が期待できるショート動画。
ショート動画が注目されている理由や、制作する際のポイント、SNSでの動画活用法とあわせて詳しく紹介します。
採用向けショート動画とは
「採用向けショート動画」とは、企業が新たな人材と出会い、採用を成功させるために活用される動画コンテンツの一種です。
採用向けショート動画には、以下のような特徴があります。
- 短尺(30秒~60秒程度が目安)の動画であること
- 求職者の興味喚起段階から自社をアピールできること
- SNS(ソーシャルメディア)で発信しやすいこと
以下で、それぞれについて説明します。
短尺(30秒~60秒程度が目安)の動画であること
採用広報に使われるショート動画の尺(長さ)については、明確に定義されているわけではありません。
ただ、ひとつの目安としては30秒~60秒程度、長くても90秒以内が一般的です。
採用向けのショート動画では、伝えたい情報や要点をコンパクトにまとめて映像で表現し、求職者に対して自社の魅力や雰囲気を伝えます。
会社の認知拡大や興味喚起に役立つこと
一般的に、採用活動のプロセスにおいては、まず自社に対する認知を高めたうえで求職者の興味を引き、その先に選考が進み、内定・入社へ至るプロセスとなっています。
採用向けのショート動画は、この初期段階である認知拡大や、興味喚起の面で効果を発揮できることが特徴です。
ショート動画では、企業の価値観や文化、特徴を瞬時に伝えられます。そのため、求職者に興味を持たせたい、自社の存在を知ってほしいといった場面で活用しやすいコンテンツです。
SNS(ソーシャルメディア)で発信しやすいこと
ショート動画は、SNS(ソーシャルメディア)と非常に相性がよいコンテンツです。
SNSでショート動画を投稿すれば、多くのユーザーに自社情報を効果的に伝えられるほか、「シェア」のメリットも享受できます。
SNSでは、魅力的なコンテンツはユーザーによってスピーディーに拡散されるため、大きなコストをかけずとも、自社の情報を広めていけるかもしれません。
また、SNSでは求職者との双方向コミュニケーションもとりやすく、自社にマッチする人材との信頼関係の構築にも役立ちます。
もちろん、SNS以外の場でもショート動画を活用することは可能です。
たとえば、自社の採用サイトに公開するのもよいですし、就職情報サイトの自社ページに動画コンテンツを掲載する例もあります。
テキストや画像の情報を補足する要素として、求職者が気軽に見られるショート動画は積極的に活用されています。
採用活動でショート動画が注目される理由
最近の採用活動では、採用動画のなかでも、とくにショート動画が注目される場面が増えています。
なぜ短尺の動画が好まれるようになっているのか、その理由について詳しく説明します。
働きやすさや職場環境を重視する求職者が増えているため
現代の求職者は、単なる仕事内容や給与といったわかりやすい要素だけでなく、働く環境や職場文化、制度・福利厚生などにまで注目する傾向が強まっています。
先輩や上司、共に働く仲間たちと良好なコミュニケーションがとれそうかどうか、意見を言いやすい環境かなど、居心地のよい職場環境であるかどうかも、会社を選ぶ上での重要なポイントになっています。
同時に、キャリアの成長機会や充実感を求め、ワークライフバランスや働きやすさなど多様な要素を総合的に判断して、自分に合う就職先かどうかを決定します。
こうした求職者のニーズに応えるうえでも、ショート動画は効果的です。
ショート動画では、会社の魅力や特徴を個性的な表現で発信しやすいため、求職者に対して自社の価値観を共有し、魅力的な職場環境をアピールすることができます。
求職者世代がショート動画・SNSでの情報収集に慣れ親しんでいるため
メインの求職者世代となる20代~30代くらいの若者は、物心ついたときから日常的にSNSを活用したコミュニケーションを行っており、ショート動画も頻繁に見ています。
情報が溢れ返るデジタル社会のまっただ中を生きているため、できるだけ短時間で、多くの情報を効率的に得ることを好みます。
ショート動画は企業にとって、求職者世代に短時間で豊かな情報を伝えるのにうってつけです。
また、カジュアルな情報収集を好む求職者にとっては、ショート動画は、自然でアクセスしやすい手段として親しまれます。
求職者はリアリティのある情報を求めているため
現代の求職者は、企業の良い面を強調したPRや美化された情報だけでなく、リアリティのある情報を求めています。
たとえば、会社が成長していくためにどんな課題があるのか、社内制度などでまだ足りていない部分など、現実も知ったうえで、総合的にその会社の価値観が自分にマッチするかどうかを判断したいと考えます。
その点、ショート動画であれば、社内の雰囲気や社員の働く姿などの日常的な様子を発信しやすいため、信頼性が高いと評価されます。
もちろん、企業は良いところを見せることも大事です。
しかしながら、自社のリアルな状況や働く人のリアルな声を積極的に届けることで、求職者は、その会社の文化や働き方について、より正確なイメージを抱きやすくなるでしょう。
採用向けショート動画のメリット
採用向けのショート動画は視覚的で印象に残りやすく、求職者に効率よく情報を届けるために適しています。
このセクションでは、ショート動画のメリットを具体的に説明していきます。
見る人の印象に残しやすい
ショート動画は、一般的には60秒以内程度の短尺で作られます。
短い時間に要点を押さえた情報をまとめて伝えるため、視聴者は集中力をもって動画を見ることができます。
動画は視覚に訴えかける力が非常に強く、テキストだけで説明するよりも複雑な情報を簡単に伝えやすく、相手の興味を引きやすい点もメリットです。
映像と合わせてBGMやテロップなどの表現を効果的に入れることで、より強いインパクトを残しやすいのも利点といえるでしょう。
SNSで発信がしやすく拡散も見込める
ショート動画の魅力として、主要なSNS(Instagram、YouTube、TikTokなど)で簡単に投稿・共有しやすい点が挙げられます。
SNSユーザーは年々右肩上がりの状態にあり、求職者世代もコミュニケーションや情報収集を目的として日常的に活用しています。
「おもしろい!参考になる!」などと判断されたコンテンツはユーザーによって気軽にシェアされるため、動画を多くの人々に届けることが可能です。
多くの求職者にアクセスしたい、企業のブランドや認知を広めていきたいといった場合に、SNSでのショート動画発信は非常に効果的です。
他プラットフォーム(複数チャネル)で再利用が可能
一度制作したショート動画は、他のプラットフォームやチャネルでも再利用できます。
たとえば、SNSに上げた動画は別のSNSでも使うことができますし、それ以外の用途として自社の採用サイトや採用LPに掲載するのもよいでしょう。
また、最近では求人広告媒体でも、自社ページに動画を差し込める機能が付いているサービスもあります。
撮影した映像などの素材が残っていれば、媒体に応じて再編集などカスタマイズをし、異なるターゲットにコンテンツを届けることもできます。
求職者と早期からのコミュニケーションが可能
ショート動画は、求職者と早い段階からコミュニケーションを取る手段としても優れています。
求職者はSNSやWebサイトなどに投稿されたショート動画をチェックすることで、その会社の文化や価値観に触れられます。
ショート動画で自社情報をわかりやすく魅力的に伝えることで、求職者は、さらなる情報収集や応募など、次のステップに進むかどうかを判断することができます。
採用プロセスの初期段階から興味を引くことができますし、SNSを活用すれば拡散も見込めるため、まだ就職・転職活動を本気では考えていない潜在的な求職者にまで広くアプローチできる点もメリットです。
コストを抑えて早く制作ができる
動画は制作費用がかさみやすいですが、ショート動画の場合は比較的制作コストが低く、完成までの期間も短いことが魅力です。
高度な撮影・編集スキルや専門的な機材を持っていなくても、スマホ一台あればSNSプラットフォーム上や無料の編集アプリを使って、簡単に撮影から投稿まで進めることもできます。
社内に制作するためのリソースが足りないなどの理由で外注する場合でも、そこまで大きな費用をかけずに質の高い動画を用意することが可能です。
採用向けショート動画が向いている業界・企業
採用広報の一環で制作するショート動画は、内容や表現方法によって、どのような業界・企業でも効果的に活用できる可能性があります。
たとえば、接客業やサービス業など「人」が中心となって活躍する業界の企業では、働く人の魅力や仕事の楽しさを伝えるコンテンツ中心のショート動画を制作して発信しています。
また、建設会社や介護施設など、一般的に「きつい」「厳しい」と思われがちな企業が、業界や自社イメージを向上させたいといった目的で、ユーモアあふれるショート動画を発信することもあります。
また、製造業やBtoB系など、求職者が仕事内容をイメージしづらいビジネスを手掛ける企業にとっても、自社の特徴をわかりやすく伝えるショート動画は効果的に活用できるでしょう。
採用向けショート動画の内容
採用向けのショート動画は、伝えたい情報や目的に応じて発信内容を決めることが重要です。
ここでは、企業の採用ショート動画でよく発信される主な内容と、制作時のポイント・注意点を紹介します。
1分でわかる会社紹介
1分でわかる会社紹介は、企業の概要と基本情報を要約したコンテンツです。
歴史や所在地・理念・事業内容・業界での立ち位置・サービス紹介といったプロフィールを簡潔にまとめます。
企業の自己紹介として、求職者に興味を持ってもらうきっかけづくりに役立ちます。
ポイント・注意点
内容を詰め込み過ぎると理解が難しくなってしまうため、要点を絞って伝えることが重要です。
求職者にとってわかりやすい言葉とビジュアルを使い、自社への興味関心を抱くきっかけとなるコンテンツにまとめていきましょう。
社内ツアー(オフィス・工場・食堂など)
会社の環境を伝えるうえで非常に効果的なのが社内ツアーです。
オフィス・工場・研究施設・食堂などの様子を、映像やナレーションなどとあわせて紹介することで、求職者は職場の雰囲気や設備について具体的にイメージできるようになります。
ポイント・注意点
社内のプライバシーやセキュリティに配慮し、公開できる情報のみを含めましょう。
各施設についてとくにアピールしたい点を簡潔にまとめて伝えるのがポイントです。
各スポットで過ごす社員の様子をあわせて映すと、よりイメージがわきやすくなります。
社員インタビュー
社員インタビュー動画は、現場の従業員が登場し、自身の仕事や経験について語る動画です。
仕事のやりがいや、企業の文化、働く環境などをリアルな視点から伝えるのに役立ちます。
具体的なストーリーや心情を語ってもらうようにすると、求職者が感情移入しやすくなります。
ポイント・注意点
要点をまとめておくことは重要ですが、台本をそのまま読む形にすると不自然で、求職者にあまり響かないものになってしまうかもしれません。
できるだけ自然な対話を演出し、堅苦しさを避けましょう。
福利厚生・制度紹介
自社の福利厚生や社内制度に焦点を当てたショート動画もおすすめです。
自社の働きやすさや魅力を伝えられると同時に、他社との差別化を打ち出すコンテンツとなります。
ポイント・注意点
過度な宣伝や誤解を招く情報を避け、客観的で正確な情報を提供しましょう。
制度の内容は端的にわかりやすく説明し、求職者にとってのメリットを強調するのがポイントです。
各制度を活用している社員の声や体験を交えることで、さらに信頼性を高めることができます。
オフショット(雑談風景、NGカット集など)
オフショット動画は、雑談風景・笑い声・NGカット・チーム皆で楽しんでいる姿などをまとめたもので、通常の業務の裏側や社内の雰囲気を伝えるのに効果的です。
企業のカジュアルな一面を紹介することで、視聴者は親しみやすさを感じやすくなります。
ポイント・注意点
社内の機密情報や不適切な言葉などをそのまま出さないように注意しましょう。
ラフな雰囲気になり過ぎて、ブランドを損なう表現にならないかどうかも十分に気をつけたい点です。
ショート動画を投稿できるSNSプラットフォームの種類と特徴
ショート動画は、SNSでの発信と非常に相性が良いコンテンツです。
以下で、ショート動画の投稿・共有ができる代表的なSNSの特徴について紹介します(※各サービスの特徴については、2023年11月現在の内容です)。
YouTubeショート
YouTubeショートとは、動画共有プラットフォーム「YouTube」のなかでも、短尺の動画コンテンツを制作・共有・視聴するための機能です。
YouTubeショートでは最大60秒までの動画を投稿することができ、手軽に動画投稿・視聴がしやすいことから、年代問わず多くのユーザーを集めています。
会社の特徴を魅力的に伝えて多くの求職者にリーチできる可能性があることから、採用広報においても、業界・業種問わずYouTubeショートを活用する企業は増えています。
情報をコンパクトにまとめた動画はYouTubeショートで発信し、もっと詳しい情報については長尺の動画を別で作り、通常のYouTubeに上げるといった使い方も可能です。
※一般的な採用動画については、以下の記事で詳しく解説しています。
TikTok
TikTokは、15秒から60秒程度の短い動画コンテンツを共有・視聴するためのSNSプラットフォームです。
SNSのなかでも近年とくに伸びを見せており、企業が人材採用や商品PRなどで積極的に活用するケースも増えてきました。
TikTokはもともと10代から20代に親しまれてきましたが、最近は30代以上のユーザーも増えており、幅広い世代の求職者に情報を届けやすくなっています。
また、TikTokには独自の「レコメンド機能」があり、フォロワー数の大小に関わらず、良質なコンテンツは高く評価されてユーザーの「おすすめ」に表示される仕組みがあります。
ショート動画とは非常に相性がよく、「バズりやすさ」の面からも注目度が高いSNSです。
Instagramリール
Instagramリールは、Instagramプラットフォーム内で提供される短尺の動画コンテンツの作成・投稿・視聴機能です。
Instagramリールでは、最長90秒までの短い動画を制作し、共有することができます。
リールに投稿した動画は「リール専用タブ」や「発見タブ」に表示されるため、フォロワー以外のユーザーも含む、より多くのユーザーにコンテンツを閲覧される可能性があります。
さらに専門のソフトを使わずともInstagramアプリ内で手軽に編集ができ、エフェクトやBGM設定なども可能なため、投稿を継続しやすいSNSとしても人気です。
動画とあわせて説明文のテキストやハッシュタグなどを活用し、自社の情報を魅力的にわかりやすく伝えることが可能です。
採用向けショート動画の制作ポイント
このセクションでは、企業が採用向けにショート動画を制作する際のポイントを紹介します。
少しでも高い効果を出すために、以下のポイントを押さえておきましょう。
明確な目的・テーマを設定する
採用向けのショート動画制作において大切なのは、「明確な目的とテーマ設定」です。
先にこれらをしっかりと決めることで、動画の内容に一貫性を保つことと、会社の特徴やメッセージを強調することにつながります。
ひいては、求職者に会社情報を魅力的にアピールしやすくなります。
自社の採用ターゲットを見据えたうえで、何のためにショート動画を制作・発信するのか、動画をどのように活用していくのかをきちんと考えておきましょう。
これらを明確に定め、動画制作に関わるプロジェクトチームで共有しておくことで、実際の制作プロセスも効率的に進めやすくなるはずです。
自社のリアルな様子や自然な雰囲気を魅力的に伝える
採用向けショート動画は、自社のリアルな姿を伝えるのに適しています。
また、短尺のショート動画の場合、堅苦しい表現よりもエンターテインメント性のある楽しい動画や、パッと見でわかりやすい表現の動画が好まれる傾向があります。
職場の雰囲気や働く人々を映像で紹介し、求職者に魅力的な印象を与えましょう。
ただし、ブランドイメージの失墜や誤解を招く表現については十分に注意してください。
動画に取り入れる情報は慎重に判断しながら、真実味のある情報を提供することが重要です。
スマホ視聴を意識した「縦型動画」を作る
ショート動画はSNSへの投稿がメインとなるため、スマートフォンでの視聴を意識した「縦型動画」を制作するとよいでしょう。
縦型動画とは、スマホの縦画面に最適化された形式で、一般的には9対16のアスペクト比(サイズは縦長の1080×1920ピクセル)で作られた動画を指しています。
多くのスマホユーザーは、スマホを横回転させずに縦長の状態のまま動画を視聴するため、縦型動画はユーザーにとって利便性の高い動画として親しまれやすいのです。
ユーザーの心を掴むためにも、SNSでショート動画を投稿する場合は、縦型動画主体で動画を作ることをおすすめします。
動画の尺は30~60秒を目安にする
採用向けのショート動画は、いかに必要な情報を端的に伝えるかがポイントです。
YouTubeショートやTikTokの場合、投稿可能な動画は60秒以内、Instagramリールでは90秒以内と決まっているため、要点を短くまとめて視聴者の興味を惹きつけるコンテンツを作りましょう。
SNSでは短い動画のほうが共有されやすく、多くのユーザーにアクセスされる傾向が見られます。
なお、SNS以外の場でショート動画を活用する場合、内容や用途によっては2~3分程度の動画にすることもあります。
ただし、尺が長くなればなるほど視聴者は飽きてしまう可能性が高くなるため、ストーリーや演出についての十分な工夫が必要です。
数分を超える長めの動画とショート動画では、それぞれメリットや得られる効果などに違いがあります。
なぜショート動画を発信するのか、きちんと目的を整理して制作を進めていきましょう。
採用向けショート動画は自社制作・外部委託のどちらがおすすめ?
採用向けのショート動画を作る方法は、大きく「自社制作」と「外部委託」の2パターンがあります。
それぞれのメリット・デメリットについて説明します。
自社制作の場合
メリット
自社で採用向けのショート動画を制作するメリットとして、まず挙げられるのがコストの削減です。
社内で制作から投稿まで一気通貫で行えば、外注する場合と比較し、コストを大幅に削減することができるでしょう。
また、自社内で制作することにより、自社の価値観やブランドメッセージ、企業文化などを、より丁寧に伝えやすい点も魅力といえます。
さらに、自社制作はスピード感のある対応をしたい場合に向いています。
急ぎで採用情報を動画で発信したい場合に、社内ですぐに制作して投稿できる柔軟性がメリットです。
デメリット
自社で制作する最大のデメリットとしては、社内スタッフの制作スキルとリソースが必要となる点が挙げられます。
ショート動画は長尺動画よりも気軽に作りやすいとはいっても、動画の企画・制作にはそれなりの時間と労力を費やす必要があり、スケジュール調整も必要です。
また、すべてを社内で対応すると外部の視点や新しいアイデアを取り入れられず、理想とする動画コンテンツが作れない場合もあります。
動画のクオリティが高くない場合、せっかく投稿しても期待するほどの効果につながらない可能性があるため、慎重に計画し、リソースを確保することが重要です。
外部委託の場合
メリット
ショート動画制作を外部に依頼するメリットは、専門的な知識と経験を取り入れた動画を効率よく制作できることです。
専門会社はクリエイティブなアプローチや最新のトレンドへの理解が深く、自社で制作するよりもずっと質の高い動画コンテンツを提供できる場合が多いです。
自社のリソースを節約し、プロの視点から新しいアイデアを取り入れた動画を作りたい場合には、外部委託がおすすめです。
安定したクオリティの動画を投稿することで、より効果的な採用広報を実施しやすくなるでしょう。
デメリット
ショート動画制作を外部に委託するデメリットとしては、制作費用が発生することです。
ショート動画は、長尺の動画と比べて低コストでの制作が可能ですが、それでも専門会社に依頼すると、一般的には1本(60秒以内目安)あたり最低1~3万円程度はかかります。
社内での制作が難しいけれどコストを押さえたい場合には、フリーランスの動画制作者に依頼するのもよいでしょう。
フリーランスであれば、ショート動画1本あたり3,000~5,000円程度から制作を依頼できる場合もあります。
ただし、制作者個々のスキルには差があるため、満足できるだけのクオリティを担保できるかどうか、事前に必ず確認しておきましょう。
コスト面に加えて、外部に制作を依頼する場合は完成まで一定の時間がかかるため、緊急の採用広報には適していないことがあります。
採用向けショート動画を効果的に運用するには
採用向けのショート動画は、制作をした後にどのように活用するかにより、得られる効果に差が出てきます。
ここでは、ショート動画をより効果的に運用するポイントを紹介します。
鮮度の高いコンテンツを継続的に発信する
SNSへの投稿がメインとなるショート動画は、拡散力が高く、ユーザーに情報を素早く届けやすいといった数々のメリットがある反面、「飽きられやすい」コンテンツでもあります。
日々、SNS上には多様な動画が上がっていくため、鮮度が重視されやすく、古い動画はどうしても注目されにくい特徴があります。
また、動画は継続的に投稿していかないと、なかなかアカウントの登録者数も増えず、大きな拡散を見込むのが難しくなってしまいます。
そのため、最低でも週1~2回を目安に、できる限り継続的に投稿し続けることを心がけましょう。
週に〇回(何曜日)など発信回数や日程を決めて、定期的に投稿するのもおすすめです。
あわせて、投稿時には「ハッシュタグ」を付けることで、少しでも各動画が注目されやすくすることが重要です。
動画投稿後は「効果測定」と「改善」のPDCAを回し続ける
採用向けのショート動画を効果的に運用するには、「投稿したら終わり」とは考えず、効果測定を行って改善するPDCAを回し続けることが重要です。
各SNSでは分析ツールを用いて、動画の視聴回数やコメント数、視聴者数、視聴時間といった各種データをチェックすることができます。
それらのデータからは、ターゲットがきちんと見てくれているかや、どんな動画に注目が集まっているか、視聴者が何秒程度で離脱しているかといったことが見えてきます。
それらの情報をもとに、制作する動画の内容を少しずつ改善していくことがポイントです。
加えて、発信した動画が応募につながっているかや、動画が志望意欲の向上や動機形成に役立っているかといった点まで確認できる仕組みを作っておくと、より効果的な運用につながります。
それらの点については、応募者や内定者にアンケートをとってみるとよいでしょう。
ショート動画視聴後の導線を用意しておく
短時間で簡潔に情報を伝えるショート動画は、求職者に認知してもらうことや興味喚起に適しています。
一方、その動画単体での深い企業理解までにはつなげにくいため、動画視聴後、求職者にどう行動してもらいたいかを意識して、動画の制作や運用を行っていくことが重要です。
たとえば、動画の概要欄に採用サイトのURLを載せたり、会社紹介や仕事内容などに関するもっと詳しい長尺動画を別で用意し、ショート動画から簡単に飛べるようにするといった方法が挙げられます。
ショート動画の前後の導線をきちんとつくることで、1本の動画を、さらに効果的に運用できるようになります。
まとめ
ショート動画は、数分を超えるような中長尺の動画とは異なり、いかに短い時間で端的に自社の情報をわかりやすく、魅力的に伝えるかが重要です。
BGMやエフェクトなども取り入れながらカジュアルな雰囲気を表現しやすいため、求職者に対して自社のリアルな姿や、働く環境を伝えるにあたって、多くの企業が活用しています。
比較的手軽に作りやすいショート動画は、自社で制作しコストを抑えることが可能ですが、クオリティ面に不安がある場合は外部の専門会社などに依頼するとよいでしょう。
なお、ショート動画制作にあたっては、必ず動画の目的やターゲット、コンセプトなどを事前に定めておくことがポイントです。
さらに、動画投稿後には効果検証と改善を繰り返すことで、より効果的な運用ができるようになります。