SNS採用はどんな効果がある? メリット・デメリットや向いている業界・企業も解説 

SNS採用は効果がある? 成功事例やメリット・デメリットを紹介 

採用活動の手法として、求人広告や人材紹介などとあわせて活用されているのが、SNS(ソーシャルメディア)を使った「SNS採用」です。

SNSの種類・サービスの拡大が見られるなか、自社の採用活動にSNSを上手に取り入れることにより、高い採用効果を生み出す企業も増えています。

本記事では、SNS採用が注目されている理由とメリット・デメリット、SNS採用の種類や特徴などを解説します。

SNS採用のはじめ方、SNSを使った採用代行・採用広告サービスについても紹介しているので、SNS採用を検討中、あるいはSNSの活用方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

SNS採用とは?

SNS採用とは、各種SNS(ソーシャルメディア)を利用した採用手法のことで、「ソーシャルリクルーティング」ともいわれます。

SNS採用によって目指すことは、主に以下の2点です。

  • 情報発信および求職者との接点づくり
  • 求職者とのコミュニケーション(スカウトも含む)

SNS採用を実施する企業は、X(旧Twitter)・Instagram・Facebookなどの各種SNSで情報を発信し、求職者との接点をつくります。

自社に関する情報はもちろん、就職・転職に役立つコンテンツなどを積極的に発信することで、就職・転職活動に意欲的な顕在層から潜在層まで、より多くの求職者とのつながりができます。

また、SNSではコメントやDM(ダイレクトメッセージ)機能を活用し、ユーザーと直接コミュニケーションをとることも可能です。

求職者からの気軽な質問・問い合わせを受け付けたり、よい人材がいればスカウトメッセージを出して直にやりとりをすることで、自社にマッチする人材とつながりを強めるチャンスの拡大が見込めます。

SNS採用が注目されている理由

SNS採用は2010年代以降から徐々に普及し、最近では多様な業種・業界の企業が、なんらかのSNSを取り入れた採用活動に取り組んでいます。

SNS採用が注目されるようになった理由のひとつとして、SNSユーザーの急激な増加により、多くの求職者や潜在層に自社の情報やメッセージを効率的に届けやすくなっていることが挙げられます。

ここで、実際に世間ではどれくらいの人がSNSを使っているのか見ていきましょう。

ICT総研が実施した「SNS利用動向に関する調査(2022年5月発表)」によると、日本のSNS利用者は8,270万人で、ネットユーザー全体に占める利用率は82%です。

出典:2022年度SNS利用動向に関する調査

とくに若者のSNS利用率は非常に高く、総務省の「令和4年通信利用動向調査」によると、いわゆる「新卒世代」を含む20~29歳のSNS利用率は91.7%に達しています。

出典:通信利用動向調査 令和4年調査(令和05.05.29公表)

また、同調査における他年代の結果を見ると、30代が90.8%、40代が88.3%。年齢が上がってもSNSを利用する人は非常に多いことがわかります。

これだけSNSが活用されるようになった背景には、テクノロジーの進化に加え、人々がより「リアルな声」を求めるようになったことがあるといわれます。

SNSは、企業広告のような一方的かつ大仰なPRとは異なり、より生活者の現実に近い視点の意見を集めやすく、相互コミュニケーションも可能です。

さらに、魅力的な情報は即時的に他ユーザーにシェアされるといった「拡散力の強さ」もSNSの特徴です。

人々の日常生活にSNSが溶け込んだ現代社会では、企業もSNSを活用することで、多くの求職者や潜在層に情報を届けられるようになりました。

こういった理由から、企業が求職者との接点をつくり、自社との信頼関係を構築するためのツールとして、SNSが積極的に活用されています。

SNS採用のメリット・デメリット

現代のデジタル時代において、SNSを活用した採用活動は効果の出やすい手法といえます。

しかし、SNS採用には数々のメリットと同時に、いくつかのデメリットも存在します。

メリット・デメリットの両方を理解した上で、自社に合う採用戦略を立ててください。

メリット

SNS採用のメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

各項目の特徴について、具体的に説明します。

情報拡散力が強い

SNSは、情報を迅速に多くの人々に届けることができるプラットフォームです。

企業は、求人情報やメッセージをSNS上で発信・共有することで、一度に数多くのユーザーにリーチできます。

一人のユーザーにシェアされれば、そのユーザーのフォロワーにまで情報を届けることができるため、自社の情報を広めやすく、多くの人にアピールしやすい点がメリットです。

幅広い潜在層にアプローチしやすい

SNSは従来の採用媒体に比べて、より幅広い潜在層にアプローチできます。

求人広告の場合、自社の情報を届けられるのは各媒体を利用(登録)しているユーザーとなり、就職・転職に対する意欲が高めの人が中心です。

しかし、SNSを使えば、「よい企業が見つかれば転職したい」くらいの求職意欲があまり高くない層や、もともと自社への興味関心が薄い層にも情報を届けることができます。

潜在層にまでアプローチし多くの人材とのつながりを構築していくことで、中長期的な採用活動の効率化などの効果が期待できます。

自社の魅力を多様な視点から伝えられる

SNS採用のもうひとつのメリットは、自社の魅力を多角的な視点から伝えやすいことです。

SNSでは、テキストのほか画像・ビデオ・ストーリーなどを使い、さまざまな形式で情報を共有できます。

企業の文化や価値観、社員の様子などを多様なコンテンツで発信していけば、求職者に対して多角的に自社の魅力を伝えることが可能です。

求職者にとっても、SNSは企業のホームページのような公式情報よりも、より手軽に、リアルな情報を集めやすいといったメリットがあります。

SNSでの接点を通じて自社への親近感や魅力を感じてもらうことにより、企業理解の深まりや、志望意欲の向上も期待できます。

採用コストを削減できる

SNS採用は、企業の採用コストを削減する助けになります。

SNS自体は基本的に無料で利用できるため(※一部、有料機能あり)、企業は運用の人件費を除き、大きなコストをかけずに情報発信を行うことが可能です。

他の採用手法・ツールと組み合わせていくことで、自社の認知度アップや応募者数の増加などにもつながるため、コストを抑えつつ採用活動全体によい影響をもたらすことも期待できます。

デメリット

SNS採用のデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

デメリットについても、詳細を説明します。

運用に時間と工数がかかる

SNS採用は、中長期的に運用を続けていくことが前提となる採用手法です。

SNS上の情報は急速に流れていくため、良質なコンテンツを発信し続けないと、なかなか多くのユーザーに気にかけてもらうことができません。

また、ひとたび更新をやめてしまえばユーザーの興味は一気に薄れてしまうため、よい効果を出すのが難しくなってしまいます。

SNS採用を成功させるには、日常的な情報発信のためのコンテンツ企画および投稿、またユーザーからの問い合わせやリアクションに対するフォローなどに力を入れる必要があります。

積極的に運用しようとすればするほど社内工数がかかるのは、SNS採用のデメリットといえる一面です。

自社内でSNS運用のリソースを割くのが難しい場合には、ページ後半「SNS採用代行とは」にて詳しく解説するサービス利用も検討してみるとよいでしょう。

ネガティブなコメント・炎上のリスク

SNSを採用活動に導入する際に注意したいのが、自社の発信内容をきっかけに、熱を帯びた議論や批判、ネガティブな評判が大きく広まってしまうこと、いわゆる「炎上」です。

SNSは非常に拡散力が強いからこそ、ほんのちょっとした言葉ひとつが大きくピックアップされて広まり、炎上の事態を引き起こしてしまうことがあります。

オープンなSNSを使う場合、話題に直接は関係のない大勢の人たちも、自社が投稿した情報を簡単に目にすることができます。

そのため、SNS採用を行う場合は情報を低コストで多くの人に届けやすい反面、悪い評判もすぐに広まってしまうおそれがあることは、常に念頭に置いておく必要があります。

また、企業のSNSアカウントは個人アカウントとは異なるものであることを理解し、不適切な表現や発信をしないよう、十分に注意して運用することが重要です。

中長期的な計画にもとづく運用が必要

SNS採用のデメリットとして、運用開始後、すぐに大きな効果を出すのが難しい点が挙げられます。

個人・企業に関わらず、SNSのアカウントはフォロワー数が増えることで情報拡散力が高まっていきます。

通常、運用開始直後は自社のアカウントがほとんど認知されていない状態となるため、継続的に情報発信を続けたり、ユーザーに対してリアクションをとったりすることで、少しずつフォロワー数を増やすことが重要です。

SNSを活用すれば自社の認知度アップやユーザーとの関係性を築くことができますが、通常は中長期的な計画が必要であり、即効性を求めるケースにはあまり向いていません。

もし短期間での採用を目指す場合には、求人広告や人材紹介など、別サービスを並行して利用することを検討する必要があるでしょう。

SNS採用が向いている業界

SNSは広く開かれたプラットフォームであり、多くの企業の採用活動に取り入れることができます。

ただし、特定の業界や特性に当てはまる場合はSNSの特性を生かしやすく、より効果的に活用していくことができるでしょう。

ここでは、SNS採用が向いている業界を紹介します。

クリエイティブ業界

メディア、エンターテインメント、広告、デザインなど、クリエイティブな事業やサービスを提供する業界は、SNSを活用して自社のブランドや社風を魅力的に伝えるのに適しています。

SNS上では、見栄えのよい画像や動画などを活用した投稿や、クリエイティビティを発揮した投稿が大きな注目を集めるチャンスが多くあります。

独自のコンテンツや作品を生み出すクリエイティブ系の企業とは、相性がよいといえるでしょう。

IT・Web業界

IT・Web業界のような先端テクノロジーを積極的に導入する企業でも、SNS採用が向いています。

とくに、多くの企業がこぞって優秀な人材を求めるエンジニア職の採用において、SNSの活用が効果的です。

スキルアップの意欲が高く、さらなる成長の機会を求めるエンジニアは、自身のポートフォリオ(スキル・経験・キャリアなど)をSNSに公開しているケースが多いです。

そのため、企業側はSNS上で自社にマッチする人材を探しやすいという特徴があります。

また、エンジニアは技術的な情報・トレンドにも敏感であり、日頃からSNSで積極的に情報収集をしています。

自社の技術やプロダクト、働く環境などエンジニアの興味を引きそうな話題を発信し続けることで、スキルや志向性が合う人材とのつながりを増やせます。

SNSではユーザーと直接コミュニケーションをとることもできるため、採用チャンス拡大のために、求人広告など他の採用媒体とあわせてSNSを活用する企業も多いです。

製造業界

製造業界に属する企業では、SNSを使った採用戦略がピッタリはまると、大きな効果を出せる場合があります。

製造業には、素晴らしい歴史や技術力で世の中に欠かせない「ものづくり」を行っていながらも、一般消費者にはあまり知られていない企業があります。

そのような企業の場合、求人広告を出しても知名度の高い企業と比較してあまり興味を持ってもらえず、採用に苦労してしまうケースが見受けられます。

しかしながら、「安定した優良企業で働きたい」「社会に役立つ仕事がしたい」と考える求職者は少なくありません。

製造業では、自社のものづくりに関する技術力・ノウハウ自体が魅力的なコンテンツになり得ます。

一般の人々にあまり知られていない企業であっても、SNSで独自性のあるコンテンツを発信することで魅力づけに成功し、優秀な人材との出会いを増やしている成功事例もあります。

SNS採用が向いている企業

ここでは、SNS採用が向いている企業の特徴について紹介します。

若い世代をターゲットとする企業

SNSは、種類にもよりますが20代~30代を中心とした若手世代が多く利用しているため、これらの層をターゲットにする企業の採用活動に適しています。

SNSを活用して自社の社風や成長できるチャンスを訴求していけば、有望な人材との出会いを増やすことができます。

ただし、若い世代はトレンドに敏感であり、日々インターネットを活用して膨大な情報に触れているため、自分にとっておもしろい情報でなければすぐに流してしまいます。

この世代をターゲットとするのであれば、最近のトレンドを取り入れつつ、ユーザーに注目されるコンテンツ戦略を十分に練っていくことが重要です。

BtoB企業

BtoB企業が抱える採用課題のひとつに、「BtoC企業と比べて知名度が低い」「事業内容をイメージしてもらいにくい」といったことがあります。

そんなBtoB企業では、SNSを活用し、自社の魅力や特徴をより個性的に、わかりやすく伝える方法が有効です。

たとえば、YouTubeなど動画コンテンツをメインに発信していけば、求職者世代には理解されにくい企業の事業内容について、視覚に訴えかけながら具体的にイメージしてもらいやすくなります。

SNSでのコンテンツ発信を通じて自社の専門性・知見などを伝えることで、中長期的な認知度向上やブランディング効果も期待できます。

スタートアップ企業・中小企業

限られた予算や人材で採用活動を行わなくてはならないスタートアップ企業では、費用対効果が高い方法として、SNS採用が積極的に活用されることが多いです。

SNSを使えば、企業の規模やブランド力に関わらず、魅力的なコンテンツを発信することで多くの人の目に留まり、情報が拡散される可能性があります。

そのため、大手企業に比べると認知度が低いケースが多い中小企業でも、SNS採用の高い効果が期待できます。

また、SNSではダイレクトメッセージ機能を使い、求職者に対して直接アプローチすることが可能です。

魅力的な人材との接点をつくって直接スカウトを行うなど、大きなコストをかけずに採用につなげていくこともできます。

SNS採用をはじめるには

SNSを活用した採用手法の導入は、競争の厳しい人材市場の中でも、自社にマッチする優秀な人材と出会うための効果的な方法といえます。

ただし、SNS採用をスムーズに進め、できるだけ高い効果を出すためには、きちんと計画を立てておくことが重要です。

以下では、SNS採用をはじめる際の主なステップとポイントを解説します。

STEP
目標とターゲットを設定する

SNS採用を開始する前に、具体的な目標を設定しましょう。

SNS採用とはいっても、SNSを通じて何を実現したいのかにより、SNSの活用方法は変わってきます。

たとえば、とにかく多くの求職者に自社を知ってもらいたい、認知度アップを目指したいと考える企業もあれば、求人広告など他の採用媒体では出会えない層とのマッチング率を求めたいと考える企業もあります。

自社の採用課題と照らし合わせて、SNS採用をどのように取り入れるかを明確にしましょう。

あわせて、SNS採用でどんな人たちに情報を届けたいのか、どんな求職者とのつながりを強くしたいのか、ターゲットを定め、詳しい人物像(ペルソナ)を作っておくことも重要です。

STEP
適切なSNSプラットフォームを決める

各SNSには、それぞれ異なる特徴や、メリット・デメリットがあります。

たとえば、Instagramは画像を活用して若年層に情報を届けやすい、LINEは双方向のコミュニケーションがとりやすいといった特徴があります。

そのため、1で定めたターゲット層を意識して、自社に合うSNSを選ぶことが重要です。

STEP
運用体制を整える

SNS採用を実際にスタートする前には、社内の運用体制をきちんと定めておくことが大切です。

SNSでは継続的な発信が重要になるため、日常業務に加え、一人でコンテンツを企画し投稿まで行う場合、思っている以上に負担がかかる場合があります。

また、担当者が明確になっていないと、ユーザーからの問い合わせに迅速に対応できず、企業に対する不信感を与えてしまうことにもつながりません。

SNSをどう活用するかを決め、十分なリソースを割り当てられるようにしておきましょう。

また、事前に運用マニュアルを作っておくのもおすすめです。

投稿頻度やタイミング、投稿内容の方向性、ユーザーからの問い合わせに対する返信のルール、トラブル時の対応などをあらかじめ決めておくことで、よりスムーズに運用しやすくなります。

STEP
コンテンツの方針を計画する

SNSを使う準備が整ったら、自社のどのような情報を広めていくのか、具体的なコンテンツ内容の方針を決めていきます。

求人情報のみならず、企業文化や社内の出来事、社員が働く様子など、魅力的で多彩なコンテンツを発信し続けることで、より多くのユーザーからの注目を集めやすくなります。

自社が求める人物像にアプローチするためには、採用コンセプトやターゲットにもとづいたコンテンツを考えていきましょう。

ただし、コンテンツを考える際には自社視点だけで考えるのではなく、求職者が求める情報を届けることが重要です。

なお、SNSは情報が流れるスピードが速いため、数回発信した程度では、ほとんど成果にはつながりません。

SNS採用を成功させるためには、魅力的なコンテンツを発信し続ける「継続性」が重要であるため、その点も含めて運用体制を整えておきましょう。

SNS採用の種類

SNS採用を行うにあたっては、各SNSの特徴やメリット・デメリットをよく把握し、自社の採用目的や集めたい人材にふさわしいものを選ぶことが重要です。

ここでは、企業の採用活動でよく使われている代表的なSNSを5種類と、それぞれの特徴について紹介します。

SNS採用で利用される主なSNSの種類

X(旧Twitter)

企業が実施するSNS採用のなかでも、最も代表的な種類といえるのがX(旧Twitter)です。

X(旧Twitter)は、短いテキストや画像、動画などで情報を共有するプラットフォームです。

日本国内のアクティブユーザー数は4,500万人(2017年10月時点)と非常に多く、10代~20代の若年層のみならず、30代以上の利用率も大きいことが特徴です。
(※出典:X Japan公式ポストより

Xの特徴のひとつにリアルタイム性の高さが挙げられます。

魅力的な情報はリポスト機能によって一気に広まり、不特定多数のユーザーに届く可能性があります。

また、XではDMを送れるため、特定の求職者に対して個別アプローチをすることも可能です。

テキストが中心となるため、写真や動画をメインとする他のSNSと比べて、手軽に投稿・運用しやすいのも魅力といえるでしょう。

Instagram

Instagramは、写真や動画といったビジュアルコンテンツを重視したSNSです。

Instagramの国内アカウント数は3,300万以上(2019年3月時点)です。
(出典:Meta「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」

2014年の日本語版サービス開始以降ユーザー数は年々増え、最近では企業がマーケティングや採用を目的としたアカウントを作るケースが増えています。

また、個人ユーザーは10代~30代が多いこともあり、採用活動においては新卒・中途の両方で活用されるケースが増えているSNSのひとつです。

Instagramの特徴として、いわゆる通常投稿のフィード投稿以外に、ちょっとした瞬間の出来事を手軽に投稿でき、24時間限定でユーザーに公開されるストーリーズ機能があります。

とくに若年層へ強くアプローチしたい場合、ビジュアルを活用して企業の独自性やリアルな雰囲気を伝えたいと考える場合には、Instagramは有力な候補となるでしょう。

TikTok

TikTokは、中国で生まれ、2017年より世界各国で提供が開始されたSNSです。

TikTokの特徴として、15秒~1分程度の短尺動画であること、アプリ上で誰でも簡単にBGMやエフェクトを使った編集・投稿ができることが挙げられます。

その手軽さや「ハッシュタグ」を使った拡散性の高さが話題を集め、10代~20代の利用者が急激に増加しました。

動画マーケティング支援会社の株式会社Suneightが23卒の就活生に実施した調査によれば、回答者の80.2%が「TikTok動画がきっかけで企業に興味を持ったことがある」と答えています。
(出典:株式会社Suneight「Z世代就活生のTikTok活用実態」

いまやTikTokは就活生の情報収集ツールとして不可欠なSNSとなっていますが、最近はビジネスにTikTokが活用される事例が増えたこともあり、30代~40代の利用者も少なくありません。

TikTokを使った採用活動では、映像主体で、企業の雰囲気や働く人の様子を魅力的に伝えやすいことがメリットです。

また、動画の企画を考えるのに多少の手間がかかることから、他のSNSよりは競合が少ない点も魅力といえます。

さらに投稿内容は動画単位で評価されるため、フォロワーが多くない状態でも大きな「バズり」を得られるチャンスがあります。

YouTube

YouTubeは、米国Google社が運営する世界最大の動画共有サービスです。

主に長編動画やライブ配信を通じて、視聴者に対して魅力的なコンテンツを提供します。

YouTubeの国内月間ユーザー数は7,000万人(2022年5月)以上。
エンターテインメントから教育、ビジネス・経済など、多様なジャンルの動画コンテンツが日々投稿され続けています。
(※出典:Think with Google「YouTube をマーケティングのヒントに —— トレンドが生まれ、マルチフォーマットなどで生活に定着進む」

YouTubeでは、TikTokと同じく「動画」をメインとするコンテンツになりますが、伝えたい情報を、より長い時間で丁寧に伝えることができます。

そのため、企業や仕事内容に対して深い理解を促したい場合や、自社の雰囲気・魅力を存分に伝えたい場合に向いています。

LINE

LINEは、チャットや音声通話、ビデオ通話などができるアプリです。

1対1でのコミュニケーションツールとしての利用のほか、他のSNSと同じようなタイムライン機能を活用した情報のシェア・拡散も行われています。

日本国内におけるLINEの月間ユーザー数は9,500万人(2023年6月末時点)と、数あるSNSの中でも圧倒的な数を誇ります。
(出典:LINEキャンパス「LINEのユーザーはどんな人?」

さらに、LINE公式アカウントの活用によって、クローズドなコミュニケーションがとれることもLINEの特徴です。

LINE公式アカウントでは、登録してくれたユーザーに対して、リッチメニューを活用してさまざまな採用コンテンツや選考情報を配信したり、直接メッセージを送ったりすることができます。

あわせて採用管理システムを導入すれば、応募者の管理やメッセージの一斉送信といったこともしやすく、採用工数の削減も実現可能です。

メールと比べてメッセージを届けやすく、双方向のコミュニケーションがとりやすいこともあり、内定者フォローなどでも積極的に活用されています。

SNS採用代行とは

SNS採用代行とは、企業がSNSを使って新しい人材を見つける手助けをするサービスのことです。

SNS採用代行を手がける会社では、主に次のようなサービスを提供しています。

  • SNS戦略の立案
  • コンテンツ企画
  • コンテンツ投稿
  • ユーザーへの返信・問い合わせ対応
  • 運用状況の分析、改善策の提案
  • コンサルティング

SNS採用のニーズが年々増えているなか、SNS採用代行サービスを専門的に取り扱う会社は増えています。

自社の採用活動にSNSを取り入れたいものの、運用のための十分なリソースがない、あるいは知識やノウハウ不足でうまく運用できる自信がないといった場合に、採用代行サービスが積極的に活用されています。

なお、SNS採用代行各社が提供するサービス範囲・内容は異なります。

SNS採用のコンセプト設計や戦略立案、運用・効果検証までトータルで依頼できる会社もあれば、自社運用する際のフォローやアドバイスだけを任せることができる会社もあります。

さらに、各社は得意な領域もまちまちで、Webコンサルティングや採用支援に強みをもつところや、動画やオウンドメディアなどのコンテンツ制作で高い評価を得るところもあります。

そのため、SNS採用代行に依頼するにあたっては、自社がSNS採用で何を実現したいのか、どんなことを頼みたいのかを大まかにでも考えておきましょう。

そのうえで各社の強みや特徴をよく比較し、依頼先を検討していくことが重要です。

※SNS採用代行の詳細については、以下の記事もあわせてご覧ください。

SNS採用広告とは

SNS採用広告とは、X(旧Twitter)・Instagram・FacebookなどのSNS上に、企業の求人情報や採用に関する広告を出すこと、あるいはその広告そのものを意味します。

SNS採用広告には、主に以下のメリットがあります。

  • 狙ったターゲットへの情報発信・潜在層へのアプローチが可能
  • 自社の魅力をアピールしやすい
  • SNSのアカウント運用よりも即効性が期待できる

SNS採用広告は、SNSユーザーのタイムラインなどに表示されるため、多くのユーザーの目に留まるチャンスがあります。

SNSによっては、年齢やエリア、趣味嗜好など細かくターゲティングをすることができ、狙ったユーザーに情報を届けやすいのも特徴です。

また、ある程度の求職意欲をもつ人が見る通常の求人広告とは異なり、SNS採用広告の場合、さほど求職の意思が強くないユーザーの元にも情報が届きます。

そのため、戦略的にSNS上へ広告を出すことによって、潜在層にまで効率よくアプローチしやすいのです。

さらに、SNS採用広告はフォーマットがある程度固定されている通常の求人広告よりも、オリジナリティを出しやすいというメリットもあります。

自社の強み・魅力を十分に打ち出すことができれば、そこまで認知度・ブランド力が高くない企業でも、よい人材と出会えるかもしれません。

もうひとつ、SNS採用広告のメリットとして、中長期的にSNSアカウントを育てていく「運用」よりも、即効性が期待できる点が挙げられます。

これらの特徴を踏まえて、SNS採用広告はインターンシップの告知・募集や会社説明会のお知らせ、また自社採用に関するLINE公式アカウントの登録促進などを目的として活用されるケースも多いです。

※SNS採用広告の詳細については、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

現代人の情報収集・発信に欠かせないツールとなったSNSは、企業の採用活動でも積極的に取り入れられています。

SNS採用では、従来の求人媒体と比べて企業のリアルな雰囲気や価値観を伝えやすいこと、高い情報拡散効果が期待できることなど、さまざまなメリットがあります。

しかしながら、SNSのアカウントを活用した採用活動は、すぐに高い効果が出るわけではありません。

自社のブランディングおよび認知度や信頼向上のためには、地道に運用を継続し、アカウントを育てながらユーザー(求職者)とコミュニケーションをとっていくことが重要です。

SNSは大きなコストをかけずに運用できるため、ぜひ他の採用手法・ツールとも組み合わせながら、効果的に活用してみてください。

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