求職者に向けて、企業の特徴をわかりやすく伝えるために活用される採用サイトは、「自社ならではの強み」を表現するツールとしても有効です。
しかしながら、求職者は日々さまざまな企業の採用サイトを見るため、サイト訪問後、できるだけ早いタイミングで強いインパクトを与え、興味を持って読み進めてもらうことが大事になってきます。
この記事では、採用サイトの第一印象を決めるトップ画面で、印象的なキャッチコピーを掲載しているサイトの事例を紹介します。
魅力的な採用サイトをつくるためのポイント・注意点もあわせて説明するので、サイト作成時にお役立てください。
採用サイトのトップ画面に印象的なキャッチコピーを置く効果・メリット
採用サイトのトップ画面に印象的なキャッチコピーを置くことには、大きく以下の効果・メリットがあります。
- インパクトを与えて求職者の興味を引き付ける
- 企業の思いを印象的に伝えて求職者の感情を揺さぶる
一般的に、トップ画面やファーストビューに置かれるキャッチコピーは、シンプルな言葉で端的に表現します。
短い文言で核心をついたメッセージは、長々と丁寧に説明する文章以上に、瞬間的には強い印象を与えます。
最初に目に入る情報が魅力的でなければ、すぐにページから離れてしまうユーザーもいるのがWebサイトです。
しかし、印象的なキャッチコピーで求職者の感情を揺さぶり、心を掴むことができれば、求職者は企業に対して興味を持ち、そのままサイトを読み進める可能性が高いです。
さらに、企業のビジョンや価値観、想いを含んだキャッチコピーは、自社の魅力や特徴を伝えつつ、他社との差別化を図ることもできます。
トップ画面のキャッチコピーが印象的な採用サイトの事例
ここからは、トップ画面のキャッチコピーが印象的な採用サイトの事例を紹介します。
株式会社ネオキャリア

株式会社ネオキャリアは、採用支援や就労支援など、国内外で人材ビジネスを中心に事業を展開する会社です。
採用サイトを訪れると、トップページのファーストビューでは、青みがかかった背景デザインに重なる「超成長 ~誰かを救いたければ、救えるだけの自分に~」のキャッチコピーが目に入ります。
さらにスクロールを進めていくと、自社の価値観・ビジョンを表すような、温かく想いの伝わるメッセージが登場。
デザインは極力シンプルに、色味も抑えることで、テキスト(コピー)が与えるインパクトやメッセージ性がより際立っています。
その他のコンテンツについても、自社のパーパスやビジョンなどを一つひとつ丁寧に説明。文字情報を通じて、企業の価値観が詳しく伝わりやすい採用サイトです。
株式会社コプロコンストラクション

株式会社コプロコンストラクションは、愛知県名古屋市に本社を置き、建設業界のエンジニアを派遣する人材ビジネス事業を展開する会社です。
採用サイトのトップページでは、まず画面いっぱいに広がる映像(動画)に重ねて、「世界をひとりから変えていく。」のキャッチコピーが目に飛び込みます。
さらにスクロールをすることで、物語のようなメッセージが続く形となっており、企業の熱い思いがじんわりと心に届きます。
トップページでは、各ページへ誘導するボタンや写真を大きめに配置。
ところどころでアニメーションを効果的に盛り込んでおり、視覚的に飽きさせない工夫が施されていることが特徴的です。
株式会社サジェスト

株式会社サジェストは、1998年に設立し、不動産分譲や賃貸事業、不動産流通事業などを展開する会社です。
採用サイトのトップ画面でまず目に入るのは、「心が震えるほうへ。」のキャッチコピー。
続いて理念やビジョンを示すメッセージが現れ、この企業ならではの世界観、仕事に向き合う姿勢を表しています。
なお、冒頭のキャッチコピーは、他のページに遷移してもメニュー部分に常時表示されるようになっているため、より強い印象を残します。
コンテンツについては、事業紹介のほか、社員インタビューやクロストーク、またインフォグラフィックスを使った「数字で見る」など充実。
各所にさりげないアニメーションもつけており、全体的に洗練された印象を与えるサイトです。
株式会社三井住友銀行

株式会社三井住友銀行は、東京都千代田区丸の内に本店を置く、日本の3大メガバンクのひとつです。
新卒採用サイトのトップページにまず現れるのは「挑戦者よ、世界を揺らせ」のキャッチコピー。ぼやけた状態から少しずつくっきりと表示され、すぐに画面が切り替わります。
その先は、スクロールをするごとに少しずつメッセージが見られるようになり、さまざまな社員のインタビューページへ誘導するブロックへと続きます。
トップページ全体が、冒頭のコピーにも含まれている「挑戦者」をテーマに、統一感のあるデザイン・構成になっていることが特徴的です。
キャッチコピーを一人歩きさせないためにも、同社のサイトのように、「ページやサイト全体で自社の伝えたい思いをどう表現していくか」は非常に大事だといえるでしょう。
株式会社横浜リテラ

株式会社横浜リテラは、神奈川県横浜市に本社工場を置き、創業90年以上の歴史を持つ総合パッケージメーカーです。
採用サイトのファーストビューに表示される「売れるを支える仕事をしよう。」のキャッチコピーは、同社の事業内容をわかりやすく、魅力的に言い換えたものであるといえます。
採用サイトでは、企業のブランドイメージや独自の世界観を伝える抽象的なコピーがよく見られますが、同社のように、仕事の特徴・魅力を求職者にわかりやすく訴求するコピーも効果的です。
その他のページでも、比較的シンプルでパッと理解しやすいコピーや文章が多く採用されていることが特徴的なサイトとなっています。
株式会社TYO

株式会社TYOは、広告映像を中心としたコンテンツの戦略立案・企画・制作を手掛けている会社です。
クリエイティブに強みを持つ会社らしく、同社の採用サイトはトップページから楽しい仕掛けが満載。
ファーストビューには「Join our team!」のコピーが登場。文字の隙間に差し込まれている小さな映像も相まって、求職者の興味をしっかりと引き付け、ワクワクさせるものになっています。
さらにスクロールすると色の変化とあわせ、採用メッセージや社員インタビュー、トップメッセージなどのコンテンツが目に飛び込みます。
デザインはシンプルでありながら、色使いやフォントなどにも統一感のある、おしゃれで印象的なサイトです。
採用サイトのトップ画面にキャッチコピーを置く際の注意点
採用サイトのキャッチコピーは、なんとなくかっこいい言葉を置けばいいというものではありません。
ターゲットとなる求職者層に合わせて設計すること、そして企業の理念・文化を反映しつつも、求職者が共感できる内容にすることが重要です。
キャッチコピーは感情を刺激する力を持っています。
感情に訴える言葉やストーリーを取り入れることで、求職者の心に響くメッセージとして伝わりやすくなるでしょう。
また、他社との差別化を図るために、自社ならではの特徴や強みを取り入れた言葉を考えていくのも効果的です。
ただし、キャッチコピーは受け手に強い印象を与える分、使い方を間違えてしまうと変なイメージを与えてしまったり、誤解を招いたりするおそれもあります。
まずは「求職者に向けて何を伝えたいのか?」のテーマを明確にしたうえで、採用サイト全体のコンセプト・テーマに合う表現をしっかりと考えていきましょう。
まとめ
採用サイトを制作するうえで、欠かせない要素のひとつとなるのがトップページに掲載する「キャッチコピー」です。
キャッチコピーは、採用サイト全体の印象を決めると同時に、企業の価値観や理念、求職者に対しての思いなどを表現する重要な要素です。
通常、キャッチコピーは画像や映像などとあわせて配置されるため、ページ全体のデザインや、サイトのコンセプトとも違和感がないものにしなくてはなりません。
よい採用コピーは求職者の感情を揺さぶり、自社への関心を高めてもらう効果が期待できます。
他社の事例も参考にし、自社の伝えたい思いが深く伝わる言葉を考えてください。