採用サイト制作の費用相場は？制作後にかかる運用費の目安、外注する際のポイントまで徹底解説

採用サイトは、企業が採用活動を円滑に進めていくうえで非常に重要なメディアです。

しかし、いざ作ろうとすると「費用相場がよくわからない」「制作をどこに依頼すべきか迷う」など、さまざまな疑問や不安が出てくるかもしれません。

実際、採用サイトはサイトの規模やデザイン、コンテンツの量などによって制作費用に大きな差が出るため、内容と予算のバランスを見ながら、どのようなサイトにするかを具体的に検討することが重要です。

そこで本記事では、採用サイト制作の主要な依頼先と、費用の相場について詳しく解説しています。

制作後に必要となる運用費についてもまとめているので、採用サイト制作時にお役立てください。

採用サイト制作費用に差が出る理由は？

採用サイト制作にかかる金額は、サイトの規模や内容などによって大きく変わります。

10万円以内で比較的安価なサイトを制作することも可能ですが、実現したい内容によっては100万～200万円以上の大きなコストがかかることもあります。

ここでは、同じ採用サイトでも制作費に差が出る理由について、より詳細に解説します。

サイト制作費用の大半は企画・制作を担当するスタッフの人件費

採用サイト制作にかかる費用の大半は、企画やデザイン、コンテンツ作成、開発などの専門業務を担当するスタッフの人件費です。

採用サイト制作においては、企画やデザイン、コピーライティング、プログラミングなど、各分野における専門スキルを持ったプロフェッショナルがプロジェクトに参画します。

多くの専門スタッフが関わって制作を進める必要があるため、人件費が膨らみやすいのです。

費用に差が出るのは主にコンテンツ部分

採用サイトを構成する要素のなかでも、「コンテンツ」は、企業の文化や魅力を伝えるために最も重要な要素です。

なお、ここでいう「コンテンツ」とは、キャッチコピーなどのテキストをはじめ、画像や動画、イラストといったサイト上に掲載するあらゆる情報を指しています。

情報を充実させ、求職者に向けた訴求力のあるコンテンツを作成するためには、コピーライティングや写真撮影、イラスト作成などが必要となり、それらの業務に対して費用がかかります。

オリジナルなコンテンツを増やしたり、デザインにこだわったりするほど、費用は高額になる傾向があります。

シンプルな採用サイトは費用を抑えた制作が可能

採用サイトの制作費用は、コンテンツの充実度やデザインの複雑さによって大きく変わります。

最低限の情報をまとめた内容で、既存のデザインテンプレートを使い、5～10ページ以内などさほどページ数が多くないサイトを作成する場合は、10万円以下に収めることも可能です。

しかしながら、採用サイトは企業のブランディングや求職者とのコミュニケーションツールとして非常に重要なものです。

予算と目的に応じて、どのような採用サイトにするかを十分に検討していきましょう。

採用サイトで効果を出せば他の採用関連費を削減できる可能性も

採用サイトを制作すると一時的にまとまった費用がかかりますが、サイトを活用することによって、中長期的には採用活動全体の費用が削減できる可能性があります。

訴求力のある採用サイトを公開することによって、自社に対して志望度の高い求職者からの応募が増え、マッチング精度が高まり、内定率が上がる効果が期待できるためです。

また、採用サイトの活用で採用プロセスがスムーズになれば、応募・面接などにかかる手間など、採用活動にかかる社内工数を減らせるメリットもあります。

こうした点も見据えて、採用サイトの制作の予算・社内体制を計画していくことが重要です。

採用サイトの規模・内容別の費用相場

採用サイトの制作費用は、サイト全体の規模（ページ数）や、どのような内容のサイトを作るかによって大きく異なります。

以下では、採用サイトの費用相場についてサイトの規模・内容別にまとめ、それぞれの特徴も紹介しています。

テンプレートを活用したシンプルなサイト（～10万円）

既存のテンプレートを活用すると、大きなコストや時間をかけずにシンプルなサイトを作ることができます。

「デザインは特別にこだわらないのでとにかく費用を抑えたい」「早急に最低限の情報を公開したい」といった場合には、この形でスタートするのもよいでしょう。

テンプレート利用であっても簡単なカスタマイズは可能です。

ただし、複雑なデザインを作ることは難しく、コンテンツを増やしたい場合には限界があるなどデメリットも存在します。

また、費用を抑えるためにすべて自社で対応する場合には、コンテンツ作成に大きな工数がかかる点がネックといえます。

オリジナルデザインのサイト（10万円～50万円）

オリジナルデザインを取り入れた10ページ程度の採用サイトは、10万円～50万円程度での制作が可能です。

デザインを工夫すると、企業の個性やブランドを際立たせ、応募者に強い印象を与えることができる点が魅力です。

これくらいの規模のサイトでは、募集要項や採用プロセスなどの必要最低限の情報に加えて、企業の歴史・理念、働く環境、福利厚生、FAQなど、より幅広い情報を掲載することが可能です。

中規模の企業やブランディングに重点を置く企業に適しています。

インタビュー記事などオリジナルコンテンツを盛り込んだサイト（50万円～150万円）

15～20ページ程度規模の採用サイトでは、写真を取り入れた社員紹介やインタビュー記事などのオリジナルコンテンツを充実させられます。

独自のデザインに加え、ページ数が増えることで情報提供の幅が広がり、企業の個性や価値観を十分に表現しやすい点が魅力です。

応募者に深い理解を提供し、長期的な関係を築くためのサイトとして適しています。

競争が激しい業界や、熱心な採用戦略を実施する企業は、この程度の規模の採用サイトを作るケースがよく見られます。

費用については50万円～150万円とやや幅がありますが、これは主にコンテンツをどこまで拡充させるかによって決まってくるものです。

制作期間はやや長めになり、最低でも2～3か月は見ておく必要があるでしょう。

採用戦略・動画コンテンツなどを含む本格的なサイト（150万円以上）

オリジナルのデザイン・コンテンツを取り入れた合計20ページ以上の採用サイトは、さらに高額な費用がかかることが多いです。

企業ブランディングと採用戦略を積極的に組み込んで制作する場合、150万円以上かかることも珍しくありません。

これくらいの規模・金額のサイトになると、動画コンテンツなど、より独自性のある表現を取り入れて自社の特徴・魅力を伝えることもできます。

多くの応募者を必要とする大企業や、競合他社との差別化に注力し、優秀な人材を求める企業に適しています。

採用サイトの制作依頼先別の費用相場

採用サイトをつくろうと考える場合、一般的には外部の専門会社などへ制作を依頼し、コンセプトなどの打ち合わせを重ねながらプロジェクトを進めていくことになります。

このセクションでは、採用サイトの主な制作依頼先の特徴と、費用の目安について紹介します。

制作会社

採用サイトの制作依頼先として、一般的に選択されるのがWeb制作会社です。

日本国内に数多くのWeb制作会社が存在しますが、各社が提供するサービスや特徴は異なるため、大前提として採用サイト制作を専門・得意とする会社を選ぶとよいでしょう。

大手の制作会社は豊富な実績を持っていますが、制作期間はやや長めで、費用も高めに設定されることがあります。

一方、中・小規模の制作会社は実績や対応力がまちまちで、地域に密着した事業展開をする会社、特定の業界や業種に強みを持つ会社もあります。

予算に合わせて選べるパッケージプランを提供する制作会社もあるため、各社の強みをよく比較し、ニーズに合致した会社を選んでください。

また、制作以外の要素（運用面など）への対応力も制作会社によって異なるため、その点も選定の際に考慮するとよいでしょう。

費用

採用サイトの制作費用は、サイトの規模（ページ数）、コンテンツ数、デザインのカスタマイズ度などに大きく影響されます。

以下は、制作費用の目安です。

既存テンプレートを使用したシンプルなサイトであれば、数万円程度から制作することが可能です。

一方で、オリジナルのコンテンツやデザインの制作を希望する場合、依頼内容や範囲に応じて費用が変動します。

コピーライティングや代表・社員へのインタビューを含むコンテンツには、一般的にはプラスで5万円から10万円程度の費用が必要です。

図やグラフ、イラストなどを使ってデータをわかりやすく示す「インフォグラフィックス」を追加する場合、15万円から25万円の追加金額が目安となります。

本格的な写真や動画撮影・制作が必要な場合には、さらに30万円以上かかることがあります。

なお、サイト制作後の保守・運用まで依頼する場合には、制作費とは別に、月額2万円～10万円程度が必要です。

保守・運用費用に関しては、記事後半「採用サイトの運用（管理）にかかる費用」で詳しく解説しています。

フリーランス

採用サイト制作は、Web関連の専門スキルを持つフリーランスのクリエイターに依頼することも可能です。

フリーランスに発注する利点は、制作会社に比べてコストを抑えやすく、スピーディーで柔軟に対応してもらいやすいことです。

ただし、ほとんどのフリーランス人材は特定のスキルに秀でており、企画からデザイン、コンテンツ制作、コーディングなど、採用サイト制作に必要なすべての要素を一人でまかなうのは難しいことがあります。

工程ごとに異なるフリーランスに依頼することもできますが、その場合、コミュニケーションが複雑になり管理が難しくなったり、余分なコストが発生したりする可能性があります。

フリーランスに依頼した場合の制作費用は依頼内容や範囲に応じて異なりますが、一般的には数万円から100万円程度となるでしょう。

その他（広告代理店・Webマーケティング会社など）

ブランド戦略やマーケティングに強みを持つ一部の広告代理店でも、採用サイト制作を事業・サービスの一環として提供しています。

そのような広告代理店に依頼するメリットとして、採用サイトを広告キャンペーンに組み込みたい場合に、スムーズに対応してもらいやすい点が挙げられます。

また、Webマーケティングの専門会社の一部でも、マーケティングの知見・スキルを生かした採用サイト制作を手がけています。

ただし、代理店によってはWeb制作の専門会社と比較すると制作クリエイターの人数が少なく、制作期間が長くなってしまったり、やや高めの見積もりが出されたりすることもあります。

各依頼先の強みや特徴、メリット・デメリットをよく比較した上で、自社のニーズを最も満たしてくれる先を検討してください。

外注せずに自社で採用サイトを作成するメリット・デメリット

一般的に、採用サイト制作は外部のWeb制作会社などに委託するケースが多いですが、自社制作することも不可能ではありません。

ここでは自社制作をすることのメリット・デメリットを紹介します。

メリット：制作費を抑えやすい

採用サイトを自社制作をする最大のメリットは、外部委託をする場合と比較して費用を節約しやすいことです。

通常、サイト制作には人件費・開発費などがかさみますが、社内で対応すればコストを大きく抑えることもできます。

たとえば、社内にWebサイト制作ができるスキルを持ったスタッフがいる場合や、無料・格安の制作ツールを使った簡易的なサイトでよいと考える場合は、自社制作をすることを検討するのもひとつの方法です。

内部の人間が制作することで、社内全体での採用コンセプトなどの共有がしやすく、プロジェクトがスムーズに進みやすい点も良い点といえるでしょう。

公開後の運営まで一貫して社内対応することにより、新しい求人情報に合わせて即コンテンツの更新を行うなど、サイトのアップデートがスムーズに行えます。

デメリット：社内工数の増加、クオリティ面の不安

採用サイトを自社内で制作する場合の最大のデメリットといえるのは、社内工数が大きく膨れ上がる可能性が高いことです。

サイトを自社制作するとなると、ほとんどの場合は担当スタッフが日常業務と兼務することになるでしょう。

制作プロジェクトの計画・管理に多くの時間がとられ、他の業務に影響をおよぼす恐れがあります。

さらに、サイトのデザインやコンテンツ制作、開発などは、それぞれの専門スキルを持つ人でなければ対応が難しいです。

社内に専門スタッフがおらず、また社内体制も整ってない場合、無理をして自社制作を行おうとすると余計な時間がとられ、結果的に採用サイトのクオリティが低くなってしまうかもしれません。

採用サイト制作を依頼する際のポイント

本セクションでは、採用サイト制作を外部に依頼するにあたり、事前に社内で検討しておきたいこと、気をつけたいポイントをまとめています。

ポイントを押さえて依頼することで、無駄なコストはかけず、採用活動の目的を達成するための質の高いサイト制作をしていきましょう。

予算は初期費用＋運用費で計画する

採用サイトの予算を計画する際には、制作の初期費用だけでなく、運用費用も考慮に入れることが重要です。

初期費用はサイト制作・公開にかかるコストを指し、運用費用はサイトを維持・更新するために必要な費用です。

具体的には、コンテンツの追加や修正、サイトのセキュリティ対策にかかる費用、またドメイン費、サーバーの維持費などが運用費に含まれます。

予算計画を長期的に設定し、採用サイトの持続的な成功を考えましょう。

社内でどこまでコンテンツを作れるかを考える

採用サイトに掲載するコンテンツの一部は、社内で制作できる場合があります。

一例として、社員インタビューや写真、事業内容・仕事内容を紹介するためのテキストなどが挙げられます。

これらのコンテンツを自社で制作できる場合、すべて外注する場合と比較し、大きく制作費用を削減できるかもしれません。

ただし、採用サイトのコンテンツは、サイトそのもののクオリティや、採用効果に直結する重要な要素です。

社内に必要なリソースやスキルが揃っているかどうかを確認し、専門会社に依頼するかどうかを検討しましょう。

採用サイト制作を得意とする会社に依頼する

採用サイトは、採用活動をスムーズに進めるためのツールであることはもちろん、企業のブランディングにも影響を与えるメディアです。

企業にとって重要な役割を担うからこそ、サイト制作時はきちんとゴールを見据えてプランニングしていくことが欠かせません。

Webサイト制作を手がける会社は数多くありますが、そのなかでも採用サイト制作を得意とする会社を選ぶことが重要です。

採用サイトの特有のニーズ・トレンドを理解している制作会社に依頼することで、自社の採用に対する課題やニーズもきちんと反映したクオリティの高いサイト制作が可能です。

採用サイトの運用（管理）にかかる費用

採用サイトを制作した後は、継続的にサイト管理を続けていくことが重要です。

サイト管理として行うべき業務は、大きく「保守」と「運用」に分けられます。

適切な保守運用を行わずにサイトを放置してしまうと、制作にかかったコストに見合った費用対効果が得られないかもしれません。

なお、保守・運用費は誰が担当するかや、どこまで実施するかで大きく異なります。以下で、パターン別の費用相場を紹介します。

自社で管理する場合

費用目安：数千円～1万円未満／月

自社で採用サイトを管理する場合の費用には、ホスティングやドメインの費用、セキュリティ対策、必要な場合のプラグインやツールの購入などが含まれます。

月間の費用は数千円～1万円程度と比較的低く抑えられますが、運用にかかる社内工数は増加する可能性があります。

また、SEOやWeb解析などの専門知識を持っていない場合、効果的なサイト運用が難しく、サイトの可能性を最大限に引き出すことが難しいでしょう。

万が一、サイトのシステム面などに不具合やトラブルがあった場合、即対応するのが難しいといった技術的なリスクもあります。

基本的な保守・管理を専門会社に外注する場合

費用目安：2万円～5万円程度／月（最低限の管理）、5万円～10万円程度／月（プラスアルファの更新・管理業務を含む）

外部のWeb制作会社やフリーランスに最低限の更新やセキュリティ管理を委託する場合、月間費用の相場は2万円から5万円程度です。

これには軽微なコンテンツ更新、バックアップ、セキュリティの確保などが含まれます。

さらに大がかりなコンテンツ更新、SEO最適化、ユーザーサポートなどまで外注する場合の運用費は、5万円～10万円程度が相場です。

マーケティング施策なども含めて外注する場合

費用目安：10万円～／月

基本的なサイト管理業務に加え、集客に重点を置き、積極的なデジタルマーケティング活動を行う場合、月間費用は10万円以上かかることがあります。

これにはSEO戦略の実行、コンテンツ制作、広告運用、ソーシャルメディア管理、アクセス分析などが含まれます。

マーケティング面まで本格的に依頼するとなると、自社管理する場合あるいは基本的な管理だけ外注する場合と比較して、コストは大きく膨れます。

保守・運用については、自社のリソースやニーズをよく確認した上で、どこまで外部に依頼するか決めることが重要です。

まとめ

採用サイトは、小規模でシンプルなものなら10万円以内で作ることも可能ですが、内容を充実させる場合は150万円以上かかるケースもあるなど、制作費に大きな差が出るメディアです。

とくに専門の制作会社に依頼してオリジナルなコンテンツを多く取り入れる場合や、デザインにこだわったサイトにする場合は、費用が大きく膨らむ傾向があります。

また、採用サイトは、いったん制作したら終わりではありません。

サイト公開後も、継続的にコンテンツの更新・管理を行いサイトを改善していくことが、採用サイトで効果を出すための重要なポイントです。

効果的な採用サイトを作れば、マッチング精度が上がり、全体的な採用コストを削減できる可能性が高まります。

まずは自社の採用活動の目的・ゴールを明確にし、採用サイトをどう活用していくかを考えましょう。

そして、サイトの保守・運用費についても念頭に置いた上で、自社のニーズにマッチする制作依頼先・制作方法を検討してください。