採用サイトの「CSR・SDGs」とは?掲載内容や作成時の注意点も解説

採用サイトの「CSR・SDGs」とは?掲載内容や作成時の注意点も解説

企業が採用活動を成功させるためには、自社の価値観・文化を求職者にきちんと伝えるとともに、企業としての魅力・存在価値を高めていくことが重要です。

本記事では、自社の社会を伝えるうえで効果的な「CSR・SDGs」コンテンツについて取り上げています。

現代の求職者は、企業選びをの軸として「その企業が世の中に対してどのようなプラスの影響を与えているか」を重視する傾向にあります。

どのような企業においても、CSR・SDGsは採用サイトに積極的に取り入れたいコンテンツのひとつです。ぜひ本記事を採用サイト制作時にお役立てください。

目次

採用サイトの「CSR・SDGs」コンテンツとは

採用サイトにおける「CSR・SDGs」コンテンツとは、企業の社会的な価値・環境への配慮に対する考え方や、SDGsの具体的な取り組みなどに関する情報をまとめたものを指します。

「CSR」と「SDGs」には、それぞれ以下のような意味があります。

CSR(Corporate Social Responsibility)

企業の経済的な成功だけでなく、社会的な責任を果たす取り組みのこと。

SDGs(Sustainable Development Goals)

国連が提唱する持続可能な開発目標のこと。

CSR・SDGsに関連するコンテンツは、企業が社会の一員としての役割や責任を理解し、持続可能な未来に向けて積極的に取り組んでいる姿勢をアピールするための大事な要素となっています。

また、2020年以降は「サスティナビリティ(持続可能性)」のキーワードを軸に、自社が社会の一員として、長期的・持続的に社会を発展させていくための取り組み・活動について発信するケースが増えてきています。

CSR・SDGsコンテンツを公開するメリット・必要な理由

企業が自社の「CSR・SDGs」関連の情報を求職者に向けて公開することは、現代の採用戦略において非常に重要です。

CSR・SDGsコンテンツを公開する主要なメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  • 企業の価値観や社会に対する影響を伝えられる
  • 他社との差別化・自社の魅力づけができる
  • 人材のモチベーションアップにつながる

求職者の多くは、企業がどのような価値観を持ち、社会にどのような影響を与えているか知りたいと考えます。

実際に、求職者を対象とした各種アンケート調査でも「企業選び」に影響を与える大事な要素として、「世の中への影響や社会貢献性が高い」は、上位にランクインすることが多いです。

こうしたなか、CSRやSDGsの公開は企業の透明性を高め、企業文化や価値観が求職者の思いと一致するかどうかを示す手段となります。

また、昨今の求人市場で優秀な人材を採用するには、企業は他社との差別化を強く意識しなくてはなりません。

こういった点においても、自社のCSRやSDGsの公開は有効です。

自社のそれらに対する方針・活動内容を積極的に公開すること自体が、企業の魅力を高め、競争力を維持・向上させるからです。

また、CSRやSDGsの公開は、自社の社会貢献に対する姿勢をアピールするばかりでなく、働く社員たちに自分たちの仕事が意味のあるものであると改めて実感してもらう機会にもなります。

結果として、求職者はもちろん、既存社員も誇りを持って自社でやりがいを感じながら働くことにつながります。

生産性の向上や離職率の低減などにおいても、CSRやSDGsの公開が役に立ちます。

CSR・SDGsコンテンツを魅力的につくるポイント

採用サイトでCSR・SDGsを紹介するコンテンツをつくる手順を、魅力的なコンテンツにするためのポイントとあわせて説明します。

作成手順

STEP
情報を整理する

はじめに、自社で取り組んでいるCSRやSDGsに関するプロジェクトの情報を集めていきましょう。

それぞれの取り組みに関する目的や概要・数字・成果などを整理しておきます。

STEP
キーメッセージの設定

集めた情報をもとに、自社のCSRやSDGsにおけるキーメッセージを考えていきましょう。

どのような価値観や目標を持ち、社会にどのような影響を与えているのかを明確にしていくことが重要です。

STEP
コンテンツを作成する

採用サイトに掲載するコンテンツとしてまとめるにあたり、取り組みやプロジェクトに関連するストーリーを考えます。

どのようにして問題を発見し、取り組んできたのかといったような成果や成功体験も盛り込んで、求職者が具体的にイメージできるように心がけましょう。

取り組みに関わった社員の声や経験を取り入れるなど、人間味を出すことで、感動や共感を呼び起こすことができます。

ポイント

CSRやSDGsのコンテンツでは、求職者が何を知りたいと考えているかを把握したうえで、正確で誠実な情報を提供することが重要です。

コンテンツ作成時には、文字だけですべてを伝えようとするのではなく、写真やイラスト、アイコンなどの視覚的な要素も積極的に加えましょう。

「目で見てわかりやすいコンテンツ」を心がけることで、求職者の情報理解がスムーズになります。

CSR・SDGsコンテンツをつくるときの注意点・よくある失敗

CSR・SDGsコンテンツをつくるときに気をつけたいのは、「求職者にきちんと伝わる内容かどうか」を常に念頭に置くことです。

ありがちな失敗例として、取り組み内容などの名称・概要を記載しただけで、結果としてほとんど伝わらない、あまり意味のないコンテンツになってしまうケースが挙げられます。

CSR・SDGsは、具体性のある充実したコンテンツにするように心がけてください。

訴求力を高める具体的な方法として、たとえば単なる数値や事実を記載するのではなく、ストーリーを通じて、CSRやSDGsの背後にある思いや理念を伝えることが効果的です。

ストーリーで語ることには、コンテンツに触れた人の感情を引き出し共感を生む力があるため、ぜひ意識してみてください。

CSR・SDGsは、企業の価値観やカラーを出しやすいコンテンツでもあります。

情報をわかりやすく整理し、魅力的に作成することが他社との差別化につながります。

CSR・SDGsコンテンツの参考事例

ここからは、「CSR・SDGs」コンテンツを公開している採用サイトの中から、とくに参考になる事例を紹介します。

株式会社アトリエはるか

株式会社アトリエはるかは、 全国各地でのヘアメイクやネイルサロンの運営、化粧品販売事業などを展開する企業です。

同社の採用サイトでは、「美容と福祉」をキーワードに、地域や社会への貢献活動に関する情報を紹介しています。

各取り組みについては、目的や直面した課題、成果や現状などをなるべく平易な言葉で説明。背景を詳しく知らない求職者にとっても理解しやすい内容にまとめています。

他社との協業実績も積極的に掲載しており、同社のCSRに対する積極的な取り組み姿勢がよく伝わるコンテンツとなっています。

株式会社えがお

株式会社えがおは、熊本県熊本市に本社を構え、サプリメントや健康食品の通信販売を柱とした事業を展開する会社です。

同社の採用サイトでは、CSR・SDGsに関する情報を発信する「笑顔のSDGsへの取り組み」ページを設置しています。

ページの冒頭では、自社がどのような使命や目標に向かって活動しているのかをわかりやすく説明。

そのうえで、全17のSDGsの目標を「地球環境への取り組み」「しあわせな社会を創る取り組み」「人への取り組み」の3カテゴリーに分けて紹介しています。

各取り組みに関するさらなる詳細情報は、「取り組みを見る」ボタンを押すと表示されるように設計されています。

株式会社千葉銀行

株式会社千葉銀行は、1943年に設立し、千葉県に根ざした事業を展開する地方銀行です。

同社の採用サイトでは、「先進的な取り組み」コンテンツ内にて、グループとして掲げている「ちばぎんグループSDGs宣言」の下、自社のSDGsに関する取り組みを紹介。

気候変動への対応に関する話題は、図やイラストも取り入れながら、とくに重要なポイントが目立つように説明しています。

その他の事例として、地元・千葉での地域貢献に関する取り組みや、開発途上国支援活動なども掲載。

あわせて「CDP気候変動スコア」に関する外部からの高い評価を受けていることも紹介し、企業のSDGsに対する真摯な姿勢がしっかりと伝わるようなコンテンツになっています。

株式会社コプロコンストラクション

株式会社コプロコンストラクションは、愛知県名古屋市に本社を構え、建設業界に特化したエンジニア派遣事業を中心に手掛けている会社です。

同社採用サイトの「SDGsの取り組み」コンテンツでは、SDGsとは何かを説明したうえで、自社グループが取り組むべき優先課題を提示。

それぞれの目標に対して、実際にどのような取り組みを行い、どんな成果を出しているのかについて、イラストやグラフを用いて説明しています。

重要なポイントに絞ってわかりやすく説明しているため、求職者にも理解しやすいコンテンツとなっているといえるでしょう。

幸南食糧株式会社

幸南食糧株式会社は、大阪府松原市に本社を構え、米穀卸・精米事業を柱とした「お米」に関する事業を展開する会社です。

同社の採用サイトでは、「会社情報」の中で自社の社会貢献活動について紹介しているほか、「お米からつながる幸南食糧のSDGs」特設ページ(コンテンツ)を設置。

イラストをふんだんに盛り込み、Q&Aも交える形で、自社が事業を通じてどのようなSDGsの課題に向き合っているのかを詳しく説明しています。

「小さな一流企業」をスローガンに掲げる同社の取り組みや姿勢が、よく伝わるコンテンツになっています。

具体的で親しみやすいCSR・SDGsコンテンツの例として、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

現代企業にとって、自社のCSRやSDGs、そしてサスティナビリティに対する取り組み・価値観を積極的に公開することは、自社の信頼性や透明性をアピールするうえでの重要なポイントです。

「企業がどのような価値観を持ち、社会にどのような影響を与えているか」が、現代求職者の企業選びの判断材料のひとつとなっているためです。

自社の価値観にマッチする優秀な人材との出会いを増やし、採用活動を成功させるためにも、採用サイトではCSR・SDGsコンテンツを通じ、情報をオープンにすることをおすすめします。

その際には、求職者のニーズを押さえたわかりやすいコンテンツにすることを心がけてください。自社の魅力をより一層強く訴えかけることができるでしょう。

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