採用サイトの「数字で見る(データで見る)〇〇」とは?掲載内容や作成時の注意点も解説

採用サイトの「数字で見る(データで見る)〇〇」とは?掲載内容や作成時の注意点も解

採用サイトでは、自社の特徴や強みなどを、さまざまな角度から求職者にわかりやすく伝えることが重要です。

本記事で紹介する「数字で見る(データで見る)〇〇」は、企業の複雑かつ多様な情報を視覚的に、わかりやすく表現できる効果的なコンテンツです。

「自社の特徴をもっと魅力的に伝えたい」「採用サイトに競合他社と差別化できるコンテンツを取り入れたい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

採用サイトの「数字で見る(データで見る)〇〇」とは

採用サイトの「数字で見る(データで見る)〇〇」とは、企業の特徴や実績を、数値や統計で示した情報をまとめたコンテンツのことを指します。「〇〇」には、一般的には企業名が入ります。

本コンテンツは「インフォグラフィック(Infographic)」といい、情報を視覚的かつわかりやすく伝えるためにデザインされたグラフィカルな表現を取り入れて作成することが多いです。

「数字で見る(データで見る)〇〇」に掲載する情報の一例としては、以下のものがあります。

テーマ具体的な掲載項目(例)
企業・事業の特徴売上高/営業利益/拠点数/取引社数/プロダクト数/年間プロジェクト数
社員の特徴平均年齢/平均勤続年数/男女比/新卒・中途採用比率/職種割合/文系・理系の割合/平均通勤時間/女性管理職比率/外国籍社員比率
働く環境平均残業時間/有休消化率/育休・産休の取得率/育休後復帰率/テレワーク実施率/研修時間
その他(社風など)休日の過ごし方/趣味/就業時の服装/出身地/血液型/飲酒・喫煙率/お弁当の持参率

上記のように、「数字で見る〇〇」コンテンツで発信する情報は多岐にわたります。

企業・事業の特徴といった基本的な情報のみならず、社内の雰囲気や人間関係に関連する情報を積極的に発信することで、企業の価値観や社風を印象的にわかりやすく伝えることができます。

数字で見る(データで見る)〇〇コンテンツをつくるメリット・必要な理由

「数字で見る〇〇」は、企業が発信するさまざまな情報を、求職者によりわかりやすく魅力的に伝える手段として効果的です。

求職者にとっては、具体的な数字がグラフやチャートなどで視覚的に示されることで、企業の実績や魅力が一目で理解できます。

これにより、雑多な情報をスムーズに把握できますし、テキストだけの情報よりも企業に対する魅力や関心を高めやすくなります。

同時に、企業にとっては自社の魅力を多角的に表現することによるブランディング強化や、自社の価値観にマッチする求職者からの応募が増えるといったメリットが得られます。

「数字で見る〇〇」はオリジナリティを出しやすいコンテンツであり、他社との差別化をするうえでも非常に効果的です。

数字で見る(データで見る)〇〇コンテンツを魅力的につくるポイント

採用サイトにおける「数字で見る〇〇」コンテンツの作成手順と、魅力的につくるためのポイントを解説します。

作成手順

STEP
目的と掲載情報の明確化

まずは、自社のどのような情報を数字で示すかと、それによって求職者に伝えたいメッセージや目的を明確にします。

掲載したい項目について社員に簡単なアンケートを実施し、さまざまなアイデアを集めたうえで検討するのもよいでしょう。

STEP
データ収集

掲載する項目が決まったら、それぞれについて数字として表現する情報を収集します。

統計や成果データ、調査結果など、信頼性があり、できるだけ新しいデータを確保しましょう。

その後、それらの中から伝えたいメッセージに合致する、とくに重要な数字やデータを選定していきます。

STEP
デザインの検討と作成

インフォグラフィックやグラフなどのデザイン要素を検討し、選んだデータとデザインを組み合わせて見やすいページレイアウトを作成していきます。

必要に応じて簡単な説明文を補足しつつ、情報が視覚的に理解できるようにします。

STEP
社内で共有・確認する

コンテンツがひと通り仕上がったら、複数の担当者で共有・確認しておきましょう。

視覚的にパッと理解できる内容になっているかや、カジュアルになり過ぎていないかなど、採用の目的やターゲットを意識して、表現が適切であるかどうかを判断してください。

ポイント

「数字で見る〇〇」コンテンツを魅力的に作成するためには、まず、どんな情報を開示するかをきちんと定めることが重要です。

基本的には「自社の強み」といえる点を中心に、どんな情報をアピールすれば求職者に魅力が伝わるかを考えていきましょう。

企業や事業の情報はぜひ掲載したいところですが、基本情報だけを淡々と発信しても「求職者への印象づけ」という点ではやや物足りない場合があります。

そのため、自社のユニークな側面も含めた多様な情報を提供して他社との差別化を図ることや、数字の背後にあるストーリーも伝わるようにコンテンツを作成しましょう。

自社の採用ブランディングを意識しつつ、求職者にどのような印象を与えたいのかを意識しながら作成を進めてください。

数字で見る(データで見る)〇〇コンテンツをつくるときの注意点

採用サイトで「数字で見る〇〇」コンテンツを作成する際に注意したいポイントを説明します。

視覚的にわかりやすい表現で作成する

「数字で見る〇〇」は、基本的には文字情報はあまり増やさず、視覚表現に重きを置いて作成するのが望ましいコンテンツです。

テキストが多くなってしまうと、ビジュアルでわかりやすく伝えることを目指した本コンテンツの効果が薄れてしまいます。

数字で表せる内容はできる限り数字で見せ、テキストは補足程度とすることで、求職者に強い印象を与えることができます。

イラストや図、グラフ、アイコンなども積極的に取り入れながら「一目でわかる表現」を大事にし、コンテンツを作っていきましょう。

制作期間には十分な余裕を持っておく

「数字で見る〇〇」を作成する際には、制作期間に十分な余裕を持っておきましょう。

どんな情報を掲載すべきかや、情報をどのように表現するかを決めていく工程では、想定以上に時間がかかる場合があるためです。

また、このコンテンツでより高い効果を出すためには、自社のテーマカラーや採用ターゲット・目的などを意識したうえでの作り込みが重要になってきます。

他のコンテンツ以上に表現力が重視されるコンテンツであるため、自社での作成が難しいと感じる場合には、専門会社への依頼も検討してみるとよいでしょう。

数字で見る(データで見る)〇〇コンテンツの参考事例

ここからは、「数字で見る(データで見る)〇〇」コンテンツを公開している採用サイトの中から、とくに参考になる事例を紹介します。

ポーターズ株式会社

ポーターズ株式会社は、人材ビジネスに特化したクラウド型マッチングシステムを提供する会社です。

同社の採用サイトに掲載された「数字で見るポーターズ」コンテンツは、グレーと白を基調としたシンプルで落ち着いたデザインが印象的。

ピックアップする項目は職種比率や平均年齢といった基本的な情報のほか、自社製品の導入実績数、サービスエリア(諸外国)、グローバルスタッフ比率など、グローバルに事業を展開する自社の強みをアピール。

自社ならではの特徴を積極的に伝えているコンテンツとなっています。

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは、一般消費者向け家計簿アプリ『マネーフォワード ME』のほか、企業向けの各種ITサービスの開発提供を行っている会社です。

同社の採用サイトの「数字で見るマネーフォワード」は、コーポレートカラーを生かしたインフォグラフィックにより、視覚的に印象に残りやすいコンテンツとなっていることが特徴的です。

また、企業情報に関する項目だけではなく、メンバーの声(自社の魅力・仕事のやりがい)を掲載していたり、自社デザイナーやエンジニアに関する項目も用意していたりと、工夫を凝らしています。

株式会社Leo Sophia Group

株式会社Leo Sophia Groupは、インターネットを軸とした多種多様なビジネスの企画・運営を行っている会社です。

同社の採用サイトでは「DATA」コンテンツとして、売上推移や社員数の推移、男女比、平均年齢などの情報を、インパクトのあるインフォグラフィックで紹介。

また、「新規事業立ち上げ経験社員の割合」や「20代で管理職になった人」といった項目も数字で見せており、若手が活躍しやすい、勢いのある社風を伝えています。

あわせて、自社独自の福利厚生(お弁当サービス)の利用日数についても公開。福利厚生が実際にどれくらい活用されているかを伝えるコンテンツにもなっています。

株式会社三扇堂

株式会社三扇堂は、愛知県名古屋市に本社を構え、クライアントの店舗販促および採用・教育、さらにはクロスバウンドに関連するソリューションを提供する会社です。

同社の採用サイトでは「90秒で分かるSANSENDO」として、インフォグラフィックを取り入れたコンテンツを用意しています。

大きく「会社の紹介」「働いている人の紹介」「働き方の紹介」の3カテゴリーに分けて紹介。

企業の特徴・強みについて、求職者が一目で見て、すぐに理解しやすいデザインになっていることが特徴です。

シンプルでありながらも、わかりやすい「数字で見る」コンテンツを目指している企業の参考になるでしょう。

株式会社ベアハグ

株式会社ベアハグは、整体・エステなどのリラクゼーション業をはじめ、老人福祉・介護事業、児童福祉事業などを広く展開する会社です。

採用サイトの「インフォグラフィックで見るベアハグ」コンテンツでは、男女比、年齢分布といった基本的な情報以外に、社内の雰囲気(アットホーム・にぎやか・ゆったり)も紹介。

店舗で活躍するスタッフが多い同社では、「社員」「副店長」「店長」「部長 / 取締役」それぞれの勤続年数・平均年齢と、正社員雇用人数も公開しています。

とくに店舗展開を積極的に行っている企業や、現場で働くスタッフが多い企業にとって参考になる点があるでしょう。

つばめタクシーグループ

つばめタクシーグループは、愛知県名古屋市を中心に事業を展開するタクシー会社です。

同社の採用サイトでは、「労働環境」のページ内においてインフォグラフィックを採用しています。

印象的な点は、平均勤続年数や年間賃金水準、初年度平均年収、有給消化率といった、多くの求職者が気にする「働きやすさ」に関連する項目を中心に紹介していること。

あわせて、事業所内保育園の完備や再雇用制度、次世代ナビシステムの導入など、フレキシブルで魅力的な働き方の選択肢があることも紹介。

「ドライバーが働きやすい環境づくり」に注力する同社の取り組み・実績が効果的にアピールされています。

株式会社スギノマシン

株式会社スギノマシンは1936年に創業、富山県滑川市に本社を構える産業機械メーカーです。

採用サイトの「数字で見るスギノマシン」コンテンツでは、「働く環境について」「会社について」「働く人について」の3つのカテゴリーに分けて、さまざまな情報を公開。

「自己資本比率」や「流動比率」のような、やや難しい項目については、丁寧な解説を付け加えることで求職者の理解を助けています。

スッキリとしたデザインで、自社の経営基盤の強さや成長性を存分にアピールできるコンテンツとなっています。

まとめ

「数字で見る(データで見る)〇〇」は、企業の特徴や強みについて、視覚的にわかりやすく伝えるコンテンツとして効果を発揮します。

堅苦しくなりがちな採用サイトのなかでも、グラフィックを多用することでやわらかさや親しみやすさを演出しやすく、求職者の目に留まりやすいのも魅力です。

本コンテンツの作成時には、採用ターゲットや目的を意識したうえで、どんな情報を掲載すべきかを十分に考えてください。

表現手法やデザインも重要なコンテンツとなるため、自社での作成が難しい場合は外部に依頼して効率的に作成を進めることをおすすめします。

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