採用サイトの「求める人物像」とは?つくり方やポイント、注意点を解説

採用サイトの「求める人物像」とは?つくり方やポイント、注意点を解説

採用サイトでは、自社の経営理念やビジョンに基づきどんな人材を採用したいと考えているのかを、求職者にわかりやすく、丁寧に伝えることが重要です。

この記事では、採用サイトの必須コンテンツである「求める人物像」を掲載するメリットや、作成手順について説明しています。

求める人物像を魅力的につくるポイントもあわせて紹介するので、ぜひお役立てください。

目次

採用サイトの「求める人物像」とは

採用サイトの「求める人物像」とは、企業が求める理想的な人材の特徴やスキル・経験、価値観などを具体的に描いたものです。

企業が採用活動で重視する要素や期待する人物像を明らかにし、求職者に対してどのような資質や姿勢を求めるかを示します。

求める人物像コンテンツでは、主に以下のような情報を公開します。

  • 働くうえで必須のスキル・経験
  • あれば望ましいスキル・経験
  • 自社の理念や方針に共感できるかどうか
  • 価値観・志向・行動パターンなど

採用サイトの求める人物像とは、簡単に表すと「どんな人と一緒に働きたいか」を求職者にわかりやすく伝えるコンテンツです。

自社の理念やビジョンを踏まえ、人材のスキルや経験、さらには志向や行動パターンなども含め、共に働きたいと考える仲間がどんな人なのかを説明します。

求める人物像を公開するメリット・必要な理由

採用サイトで求める人物像を公開することには、主に以下のメリットがあります。

  • 求職者:自らの適性や価値観と企業がマッチするかを判断できる
  • 企業:自社に合う人材からの応募を促し採用ミスマッチを防げる

企業が求める人物像を明確に示しておくことで、求職者は、自らの適性や価値観と企業の期待が合うかどうかを判断しやすくなります。

それにより、企業にとっては自社の価値観を理解した求職者からの応募が増え、よりスキルや価値観がフィットする人材を採用しやすくなるメリットが得られます。

ただし、このコンテンツをつくる前提として、まず企業が採用の目的を明確にし、求める人物像(採用ペルソナ)を具体的に設計することが必要です。

※求める人物像・採用ペルソナの設計については、以下の記事で詳しく解説しています。

求める人物像を魅力的につくるポイント

ここでは、採用サイトに掲載する「求める人物像」コンテンツを作成する手順と、それを魅力的につくるためのポイントを紹介します。

作成手順

STEP
募集職種・ポジションを明らかにする

採用サイトの求める人物像コンテンツを作成するにあたり、どの職種・ポジションで募集をかけたいのかを明確にしておきましょう。

各職種・ポジションにふさわしい人物像を考えていくことが重要です。

STEP
社内で情報収集をする

経営層や募集職種に関連する部門の社員から、求める人物像に関する意見を集めます。

業務を遂行するうえで必要な専門的能力やスキルのほか、リーダーシップ、コミュニケーションスキル、行動力、協調性など、多様な視点で、なるべく具体的な意見を出してもらうようにしましょう。

STEP
情報を整理してまとめる

集めた情報をもとに、企業の価値観や文化と合うような人物像を考えます。

自社で長く活躍している社員や、とくに成果を出している社員の資質・行動特性などを洗い出すことも有効です。

なお、「求める人物像」は採用担当者や関係者が、共通の言語で議論や認識ができるようにする必要があります。

具体的なキーワードや特徴を整理して、明確な基準を作成していきましょう。

STEP
言葉に落とし込む

具体的でわかりやすい言葉を使い、求職者に伝わるように求める人物像を表現していきましょう。

テキストに加えてビジュアルやストーリーを交えると、よりイメージが具体化されます。

ポイント

企業の理念や価値観と一致したものにする

求める人物像は、常に企業の文化や価値観と整合性があることが重要です。

自社の強みや特徴なども明らかにしたうえで、他コンテンツの情報と矛盾がないよう、求職者に一貫したイメージを伝えていくことを心がけましょう。

採用活動の成果・状況に応じて内容を見なおす

求める人物像は、採用活動の状況や、企業のニーズなどに応じて変わることがあります。

期待する人材がきちんと採用できているかなど、採用の成果を定期的に振り返り、必要に応じてコンテンツを見直しましょう。

あまり成果が出ていない場合には、求職者目線でわかりやすい表現になっているかや、そもそも人物像の設定に不備がないかなどを早めに確認することが重要です。

求める人物像をつくるときの注意点・よくある失敗

採用サイトの求める人物像コンテンツをつくる際に気をつけたいポイントを説明します。

きちんと求職者に伝わり効果の出やすいコンテンツをつくるために、以下の点に注意しながら進めていってください。

現実的な人物像を設定する

求める人物像コンテンツをつくる際には、その内容が現場の実態と合致するものになっているかどうかを慎重に確認してください。

失敗例として、理想を追い求め過ぎて、ほとんど実在しない人物像を設定してしまうケースがあります。

現実的でない人物像を公開すると、応募者数が増えなかったり、本来であれば自社で活躍できる可能性を秘めた人物との出会いの機会を逃してしまったりするおそれがあります。

現場の声や実例を反映させながら実現可能な範囲で求める人物像をつくり、きちんと求職者に伝わるように表現していきましょう。

抽象的な表現よりも具体的な言葉が望ましい

求める人物像コンテンツでは、抽象的な表現はできるだけ具体的な説明に置き換えるか、補足説明を加えることが重要です。

「柔軟性がある人」「チームワークを大事にできる人」などの抽象的な表現ばかりでは、求職者は具体的な人物イメージを描けず、その企業が本当に自分に合うかを判断するのが難しくなってしまいます。

たとえば「チームワークの高さ」を求めるのであれば、「異なる経験や価値観を持つメンバーとも臆せず意見を交わし、共通の目標に向けて協力できる人」といったように、具体的な行動や振る舞いを挙げ、わかりやすく伝えましょう。

求める人物像コンテンツの参考事例

ここからは、「求める人物像」コンテンツを公開している採用サイトの中から、とくに参考になる事例を紹介します。

コクヨ株式会社

株式会社コクヨは、文具・家具メーカーとしての役割のほか、幅広いワークスタイルとライフスタイルの創造を目指してグローバルに事業を展開する企業です。

「会社の成長」と「個人の成長」の両方を大事に考える同社。

採用サイトの求める人物像コンテンツでは、事業の成長と人材の成長がどのように連動しているかを、図式化して具体的に伝えています。

さらに特徴的な点として、人材に求める条件を羅列するばかりではなく、「会社側が提供できること」もあわせて掲載していることが挙げられます。

コクヨという場を生かして成長し、大きくキャリアを広げていってほしいという企業の思いが伝わりやすいコンテンツになっているといえるでしょう。

株式会社オープンハウスグループ

株式会社オープンハウスグループは、戸建分譲事業を主力事業とし、マンション事業や海外投資事業などまで幅広く事業を展開する会社です。

採用サイト上の求める人物像コンテンツでは、人材に求める「マインド面」を中心に、6つの言葉で表現。

シンプルかつストレートな表現により、成長企業ならではの勢いや、強い意思が伝わるコンテンツとなっています。

また、6つの要素を補足するテキストでは、自社の価値観・評価される基準を具体的に説明

このように自社の思いを嘘偽りなく語ることで、求職者と企業のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

株式会社フクロウラボ

株式会社フクロウラボは、アプリに特化した広告配信プラットフォームを企画・開発・提供する企業です。

「スキルよりもカルチャーフィット」を重要視している同社では、採用サイトでも自社の価値観に共感し、共に気持ちよく働ける仲間を見つけたいという思いを強く打ち出しています。

求める人物像コンテンツでは、自社独自の「行動指針(FUKUROU WAY)」を紹介し、この思いに共感できる人を求めていると真っすぐに伝えています。

なによりも自社の価値観や社風にマッチする人材と出会いたいと考えている企業は、本コンテンツが参考になるはずです。

三菱ケミカル株式会社

三菱ケミカル株式会社は、素材や機能商品などの社会生活を支える多様な製品づくりを行う、大手総合化学メーカーです。

同社採用サイトの求める人物像コンテンツは「未来をつくる人材像」として展開し、同社が大事にする「スタンス」「スキル」「マインド」の3つの軸で、大切な要素を具体的に紹介。

自社のミッションや事業、仕事の内容、組織の特徴にも触れながら、今後どのような人材と未来をつくっていきたいのかを、求職者に希望を感じさせる言葉で説明しています。

ビッグローブ株式会社

ビッグローブ株式会社は、光ファイバーをはじめとする各種インターネット接続サービスを提供する会社です。

同社採用サイトの求める人物像コンテンツでは、自社で重視する「マインド(行動規範)」の11項目について、端的なキャッチコピーとイラストで表現。

詳細情報については、コーポレートサイトの「ビッグローグマインド」特設ページへの導線をつくることで、求職者がより詳しく企業理解を深められるようにしています。

パシフィックシステム株式会社

パシフィックシステム株式会社は、1980年に創業し、業務パッケージシステムの販売や、ソフトウェア開発などを手掛けるIT企業です。

同社の採用サイトでは、求める人物像について、人事部長が求職者へのメッセージを発信する形で表現しています。

自社の人材に対する考え方を率直かつ温かみをもって伝えやすく、また教育・育成制度の手厚さや人材への期待感なども、豊かな表現でアピールしやすいことが特徴といえるでしょう。

求める人物像の見せ方のひとつとして、ぜひ参考にしてみてください。

大同生命保険株式会社

大同生命保険株式会社は、1902年に創業し、中小企業市場に特化した保険商品の販売業を手がけている会社です。

同社の採用サイトでは、「求める人財像」コンテンツとして、採用担当者9名が登場。

冒頭では会社としての求める人財像を明確に提示したうえで、一人ひとりの担当者が、求職者に向けた親しみやすいメッセージを発信する形でページを作成しています。

ページの後半には、会社としての目指す未来や求職者に対する期待を伝えるメッセージを掲載し、エントリーページへとつながる大きなボタンを設置。

誰が見てもすぐに要点を掴めるわかりやすいページ構成など、多くの企業にとって参考にできる点があるはずです。

まとめ

採用サイトの「求める人物像」は、企業が質のよい求職者と出会い、マッチング精度の高い採用活動を実施するうえで欠かせないコンテンツです。

求める人物像は、企業の経営理念・ビジョンとも密接に関連する要素であるため、事前に採用目的や方針をあらためて明確にしたうえで、自社が必要とする人物像を設定していきましょう。

人物像が定まったら、その内容をできるだけ具体的に、求職者がリアルにイメージできるように伝えることが重要です。

抽象的な表現では求職者に正しく伝わらず、成果につながらない場合があるため、十分に注意しながら作成してください。

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