採用サイトの「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」とは?作成手順とポイントも解説

採用サイトの「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」とは?作成手順とポイントも解説

本記事では、採用サイトに掲載するコンテンツ「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」について取り上げています。

これらの要素は企業経営において非常に重要な事項であり、また自社に合う人材を引き寄せるためにも、求職者にはきちんと伝えるべきものといえます。

しかしながら、求職者にとってはやや内容がわかりづらく、企業の思いが正しく伝わらないケースもあるのが実情です。

ぜひ本記事を参考にしながら、魅力あるパーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)コンテンツを作成してください。

目次

採用サイトの「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」とは

採用サイト上に掲載する「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」とは、企業の価値観や将来の展望などについての自社の考え方を、求職者にわかりやすく示すコンテンツです。

それぞれの詳細な意味や特徴は以下の通りです。

パーパス(ミッション)

パーパス(ミッション)は、企業が存在する意義や使命を表します。

なぜこの企業が存在し、何を達成しようとしているのかといったような、自社がやっていることの本質的な理由を示すものです。

※「パーパス」と「ミッション」の違い

パーパスは企業の存在そのものに対する根源的な理由を示し、ミッションはその目的を達成するための具体的な行動や方針を示すという違いがあります。

ただし、これらの用語は企業によって異なる解釈や使い方をしており、厳密に区別されない場合もあります。

ビジョン

ビジョンは、企業が将来に達成したい理想的な状態や目標を示します。

自社の事業を通じて、どのような世界をつくりたいか、どのような状態を目指していきたいかを示すものです。

バリュー(行動指針)

バリュー(行動指針)は、企業が大切にする価値観や行動の指針を示します。

個々の社員や組織として仕事に取り組む際に重視する原則やルール、考え方、お客様に対する約束事などを具体的に定めたものです。


「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」コンテンツでは、これらの紹介を通じて、求職者に自社の本質的な方針や考え方、企業文化などを伝えます。

パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)を公開するメリット・必要な理由

「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」を採用サイトで公開するメリットとして、大きく以下2点が挙げられます。

  • 自社の価値観に合う人材が集まりやすくなる
  • 求職者の共感を生み採用ブランドイメージが向上する

これらの要素を採用サイトで明確に打ち出すことで、求職者に自社の価値観がより強く伝わるとともに、独自性や強みを訴えかけることができます。

また、自社の考え方や目指す方向性に共感する人材を集めやすくなり、採用ミスマッチを軽減する効果も得られます。

このほか、パーパス・ビジョン・バリューを明確に打ち出すことは、既存の社員のモチベーションやエンゲージメント(企業への愛着心)の向上など、社内でも良い影響があると考えられています。

パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)を魅力的につくるポイント

採用サイトで「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」を公開する際の手順を解説します。

求職者に向けて、情報をわかりやすく魅力的に伝えるためのポイントと合わせて参考にしてください。

作成手順

STEP
各要素の内容を明らかにする

自社のパーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)それぞれが明確に定まっていない場合、まずそれらを明らかにしていきましょう。

組織の歴史や文化、ビジネスモデルなどを把握し、自社にとって特徴的な要素を見つけ出します。

経営層や複数部門の責任者などと協力し、企業全体の方針や目標を共有しながら検討することが重要です。

STEP
わかりやすく言語化する

各要素について、社内のメンバー皆が共有できる言葉を選定します。また、社外の人にもわかりやすく伝わる言葉にすることが重要です。

言葉は企業イメージに大きな影響を与えるため、関係者で議論を重ねながら慎重に進めていきましょう。

STEP
サイトに掲載するコンテンツをつくる

明らかになったパーパスなどを、採用サイト上でどう見せる・伝えるかを考えます。

コピー(文言)の工夫はもちろん、各要素を視覚的に示すデザインやグラフィックを検討し、印象的でわかりやすいコンテンツに仕上げます。

ポイント

パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)は、自社の最も本質的な考え方や方針を示すものです。

そもそも、各企業の採用活動自体がこれらに沿って行われるものであるため、採用サイトにおいても求職者には優先的に見てもらうべきコンテンツといえます。

たとえば、採用サイトのトップページにパーパスなどを紹介する詳細ページへの導線をつくるなど、必ず目を通してもらえるように設置しましょう。

パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)をつくるときの注意点

採用サイトで、パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)を公開するにあたり、注意したいポイントを説明します。

実態に即した一貫性のある内容を伝える

一般的に、パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)は、自社の組織文化や価値観を発信するために、整えられた魅力的な言葉で示されます。

しかし、実際の企業文化や行動と合致しない内容や一貫性のない表現は、求職者の信頼を損ねる可能性があります。

本当に実践している価値観や方針を正確に伝えることが重要です。

なお、創業間もない企業や小規模な企業などでは、パーパス・ビジョン・バリューがはっきりと言葉にされていない場合もあるかもしれません。

これらの要素は基本的には頻繁に変更するものではないため、採用活動で公表する際には、十分な時間をかけて納得のいく内容・文言をつくることをおすすめします。

抽象的な話題は補足説明などを加えて具体的に伝える

パーパス・ビジョン・バリューの説明では、どうしても概念的かつ抽象的で、難しい言葉を多用してしまいがちです。

しかし、高度な業界用語や具体性のない言葉ばかりになってしまうと、求職者にとっては理解が難しくなり、企業の本質的な思いが伝わりません。

常に求職者視点を忘れずに、できるだけ具体的でわかりやすい表現を心がけましょう。

同時に、このコンテンツでは「他社との差別化」を重視することも大切です。

パーパスやビジョン、バリューがあまりにも一般的でありふれた内容だと、自社の魅力や強みがなかなか引き立たないため、企業独自の特徴を強調することを意識しながら作成していきましょう。

パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)コンテンツの参考事例

ここからは、「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」コンテンツを公開している採用サイトの中から、とくに参考になる事例を紹介します。

株式会社ファイブグループ

株式会社ファイブグループは、「“楽しい”でつながる世界をつくる」をミッションに、世界3ヵ国で約120店舗を展開する飲食企業です。

同社の採用サイトでは、「ABOUT(私たちについて)」コンテンツにおいてミッションやビジョンを掲載しています。

さらに、「5つのWAYS」として自社の価値観・行動指針も紹介。

これらのコンテンツを通じて、現在どのような社員が活躍しており、新たにどのような人と仲間になりたいかを率直に伝えています。

コーポレートカラーのオレンジ色を多用し、企業の元気さや勢いがよく伝わる、メッセージ性の強いコンテンツ・ページデザインが特徴的です。

医療法人啓成会

医療法人啓成会は、長野県長野市を拠点に、医療・介護施設を運営する啓成会グループの一員です。

同社の採用サイトでは、「私たちのめざす場所」として、「ブランドスローガン」をはじめ、社会的使命である「ミッション」、あるべき姿としての「ビジョン」、そして行動規範となる「バリュー」を一覧で紹介しています。

同じページ内には、グループとしての歴史がわかる年表コンテンツも設置。

企業の歩みや、どのような思いを持って事業を展開しているのかについて、求職者が理解を深めやすい構成となっています。

株式会社イプロス

株式会社イプロスは、「BtoBの出会いをつくり100年後の世界をつくる」をミッションに掲げ、BtoBマッチングプラットフォームの提供を行っている会社です。

採用サイトでは、自社が大切にしている考え方について「スピリット」として紹介。

経営理念を実現するために社員が日々どのように行動しているか、具体的な行動指針とあわせて説明しています。

ベンチャー精神を持ち、一人ひとりが恐れずに挑戦し続ける同社の社風・価値観が強く伝わるようなコンテンツとなっています。

SHE株式会社

SHE株式会社は、「自分らしい働き方」をテーマに掲げ、女性向けのキャリアスクール事業やWebページ制作事業などを展開する会社です。

採用サイトでは、ビジョン・ミッション・バリューのほか、「人事ポリシー」をあわせて紹介していることが特徴的です。

これらのコンテンツをまとめて公開することで、自社の組織づくりや人材に対する考え方、価値観などが多面的に伝わりやすくなっています。

株式会社ダイフク

株式会社ダイフクは大阪府堺市に本社を構え、「堺を大きな福で包み込む」をスローガンとし、介護・看護・保育などの事業を展開する会社です。

同社の採用サイトは、イラストをふんだんに取り入れた、コミカルで親しみやすいつくりになっていることが特徴的です。

「理念紹介」コンテンツでは、社長が全面に出る形で「ビジョン・ミッション・バリュー」を紹介。社長のメッセージも掲載し、トップの人柄や、人に対する強い思いなどを存分に伝えています。

社長のキャラクターをPRしたい、個性的な採用サイトをつくりたいと考えている企業は、参考にしてみるとよいでしょう。

学校法人 三幸学園(三幸グループ)

学校法人 三幸学園は、1975年の設立以来、学校事業と人材サービス事業の2つの軸で事業を展開している三幸グループの一員です。

グループの採用サイトにおける「ミッション・ビジョン」コンテンツでは、自社の存在意義や、社員が大切にしている考え方を伝えています。

また、同じページに代表メッセージと、企業としてのこれまでの取り組み例を載せている点も特徴といえるでしょう。

理念のもと、自社がどのように事業を展開し、世の中にどのような価値を提供しているのかが伝わりやすいコンテンツとなっています。

まとめ

採用サイトにおいて、企業の価値観や方針を伝える「パーパス(ミッション)・ビジョン・バリュー(行動指針)」は、非常に重要で不可欠なコンテンツのひとつです。

求職者に自社の考え方が正しく伝わるよう、一つひとつの要素を丁寧な言葉にし、魅力的に伝えていきましょう。

言葉は可能な限り具体的にし、ビジュアル要素も取り入れながら見やすく、わかりやすいコンテンツとして仕上げることがポイントです。

質の高い求職者とより多く出会い、採用確度を高めるためにも、本コンテンツは目立つ位置に設置して積極的に目を通してもらえるようにしてください。

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