採用サイトの「キャリアパス」とは?魅力的につくるポイントと注意点も解説

採用サイトの「キャリアパス」とは?魅力的に見せるポイントと注意点も解説

採用サイトにぜひ掲載したい情報のひとつとして「キャリアパス」が挙げられます。

「入社後にどんな風に成長していけるのか?」は、多くの求職者が気にかけるポイントであるため、キャリアパスの情報をわかりやすく整理し、求職者が自社で働く前向きなイメージが描けるように伝えていきましょう。

本記事では、採用サイトにおける「キャリアパス」コンテンツの作成手順や、魅力的につくるためのポイント・注意点などを解説していきます。

目次

採用サイトの「キャリアパス」とは

採用サイトの「キャリアパス」コンテンツとは、求職者に向けて、仕事や職種ごとのキャリアの進展や成長の道筋を示す情報を指します。

簡潔に言い換えると、求職者がその企業への入社後に、どのようにキャリアを積み重ねて成長できるかを伝えるコンテンツです。

キャリアパスに含まれる情報としては、経験年数別・職種ごとの具体的な役割をはじめ、スキルの向上や昇進によるキャリアの発展、キャリアアップのための必要なスキルやトレーニング、昇進のプロセスなどがあります。

入社後のキャリアの方向性や選択肢を示し、自社で働くイメージをリアルに描いてもらうことが、キャリアパスを採用サイトに掲載する主な目的です。

採用サイトにキャリアパスを公開するメリット・必要な理由

採用サイトの「キャリアパス」コンテンツは、求職者が企業でのキャリアを具体的にイメージする手助けとなります。

多くの求職者は、仕事の場での自身の将来の姿や成長の過程に少なからず不安を感じがちですが、そのような不安を解消するためにも具体的なキャリアパスの公開が効果的です。

キャリアパスを公開すれば、人材が確実に成長できる環境を整えていることを伝えられます。

また、求職者に将来の展望を前向きにイメージしてもらうことにより、企業に対する関心や仕事への意欲が高まります。

さらに、このコンテンツは求職者自身が抱く将来に対する希望と、企業の人材に対する期待値がマッチするかどうかを図る要素にもなります。

情報を適切に公開することで、より自社に適した人材を引き寄せる効果が期待できます。

キャリアパスのコンテンツを魅力的につくるポイント

採用サイトでキャリアパスのコンテンツを作成する手順と、魅力的につくるポイントをあわせて解説します。

作成手順

STEP
情報収集

まずは各部署の責任者や社員と協力して、異なる職種や階層の社員のキャリアパスに関する情報を収集します。

STEP
インタビュー

必要に応じて、社員へのインタビューを実施しましょう。

職種・役割別に、何名かの社員に自身のキャリアの変化・成長のポイント・達成感や苦労したことなどを尋ねると、リアルで具体的なストーリーが得られます。

STEP
コンテンツ作成

収集した情報をもとに、サイトに掲載するコンテンツを作成します。

テキストでの説明だけでなく、キャリアパスを視覚的に示すために、図やグラフも積極的に活用しましょう。

入社1年目・2年目~・5年目~・10年目~など、時系列や階層構造をわかりやすく表現すると、求職者は情報の理解・吸収がしやすくなります。

STEP
フィードバック

ひと通りコンテンツが作成できたら、社内関係者に見てもらうことをおすすめします。

情報が正しく伝わるかや、具体的でわかりやすいかなどのフィードバックを得て、必要に応じて修正してから公開しましょう。

ポイント

キャリアパスは、「研修制度」や「福利厚生(スキルアップ支援)」「働く環境」などの話題と密接に関連します。

そのため、キャリアパスのコンテンツでもそれらについて触れることは大事ですが、各テーマに関する詳細情報については別途ページを作成し、それぞれのページへ誘導するとベターです。

情報が整理され、求職者が理解しやすくなります。

キャリアパスのコンテンツをつくるときの注意点

採用サイトでキャリアパスのコンテンツをつくるにあたり、気をつけたい点を説明します。

実際の社員のキャリアパスを紹介する

キャリアパスのコンテンツは、できるだけリアリティがあり、求職者が具体的なイメージを描けるように作成することが重要です。

たとえば、活躍している社員の紹介とともに実際のキャリアパスを具体的に示すことで、求職者は自身の可能性をよりリアルに想像できます。

なお、社員のキャリアパスを紹介する際には、異なる職種や部署からの実例を幅広く掲載しましょう。

多様な価値観やバックグラウンドを持った社員がどのようにスキルや経験を積み重ね、どんな課題や悩みを克服しながら成長してきたかをストーリー仕立てで紹介すると情感が伝わりやすく、求職者の意欲も高まります。

固定化された印象を与えないように気をつける

将来のキャリアパスは予測が難しいものです。

そのため、あまりに具体的で固定化された印象を与えてしまうと求職者の視野が狭くなり、あまりポジティブな印象を持たれないおそれがあります。

さまざまな成長の可能性を実感してもらうために、採用サイトのキャリアパスコンテンツでは、企業の期待や決まったステップアップの仕組みを説明するだけでなく、個々の人材の変化や成長に適応する柔軟性があることも伝えるとよいでしょう。

より幅広く、多様なキャリア形成の機会があることを伝えると、求職者は将来に対して前向きな思いを抱きやすくなります。

キャリアパスコンテンツの参考事例

ここからは、「キャリアパス」コンテンツを公開している採用サイトの中から、とくに参考になる事例を紹介します。

INTLOOP株式会社

INTLOOP株式会社は、事業戦略・業務改革コンサルティングや人材ソリューションなどを通じて、企業が抱えるさまざまな経営課題を解決する会社です。

同社の採用サイトでは、「仕事環境」の「キャリアプラン」コンテンツ内で、キャリアパスに関する情報を紹介。

1つのページ内で「コンサルタント」「セールス」「エンジニア」の職種別に切り替えができ、それぞれの詳しい情報が見られるように作成されています。

年次別の役割と年収目安は図で示されており、ステップアップしていく様子が直感的に伝わりやすいコンテンツとなっています。

各段階での仕事内容・期待される役割も丁寧に説明し、求職者がその会社でのキャリアイメージを膨らませるのをうまく助けています。

クックマート株式会社

クックマート株式会社は、愛知県東三河および静岡県浜松エリアで、食品スーパーを展開する企業です。

同社の新卒・中途採用サイトでは、「仕事紹介」の「キャリアモデル」ページにて、キャリアパスの考え方・仕組みを紹介しています。

ページ冒頭では、自社独自のキャリア・人事報酬制度設計についての考え方や、人材に対しての思いを発信。

そのうえで、イラストを取り入れたり、専門用語・社内用語はわかりやすく説明したりなど、情報が正しく伝わるような工夫を行っていることが特徴です。

WDB株式会社 エウレカ社

WDB株式会社 エウレカ社は、理学系の研究職派遣サービス領域でトップシェアを誇る企業です。

民間企業や大学・公的機関などへの正社員型派遣事業を行う同社の社員は、「自社での勤務」「就業先への直接雇用」「WDBグループの総合職・専門職として活躍」という、大きく3つのキャリアが用意されています。

採用サイトの「キャリアステップ」コンテンツでは、個々の希望に応じたキャリアの選択肢があることを丁寧に説明。

さらに「こんな人におすすめ」を伝えることで、求職者が自身の適性・希望に合う働き方をイメージしやすくなっています。

同社のキャリアパスはやや特殊といえますが、各キャリア・仕事内容に関する具体的でわかりやすい説明、表現方法などは、多くの企業にとって参考になる点があるはずです。

株式会社三井不動産ホテルマネジメント

株式会社三井不動産ホテルマネジメントは、「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」などのホテルの運営を手掛ける企業です。

同社の採用サイトでは、「三井不動産ホテルマネジメントで描けるキャリア」コンテンツにおいて、キャリアプランを紹介しています。

ホテルの現場・本社を含めて多くの部門・職種が存在し、多彩なキャリアの選択肢がある同社。

本コンテンツでは、一例として3つのキャリアプランを挙げて図で紹介しつつ、多様な役割を持つ4人の社員が登場し、自身のキャリアパスについて語っています。

同社のようにキャリアの選択肢が豊富でひとくくりにはできないような企業は、ぜひ本コンテンツを参考にしてみるとよいでしょう。

前田道路株式会社

前田道路株式会社は、道路整備を中心に、土木建築工事の請負・設計・監督などの事業を展開する企業です。

同社の採用サイトでは、「環境・制度」ページ内で「キャリアステップ」について紹介しています。

入社後のキャリアについて「1~5年目」「6~15年目」「16年目以降~」とおおまかに分け、ステップアップの流れを一目でわかる図で表現。

そのうえで、段階ごとの詳しい教育研修や業務の内容、期待される役割についても、グラフィカルに見せています。

キャリアパスの全体像を求職者に伝えるには、同社のように図も積極的に活用するとよいでしょう。

株式会社近鉄エクスプレス

株式会社近鉄エクスプレスは、世界46カ国にネットワークを展開し、フォワーダーとして貨物輸送などを手掛ける国際総合物流企業です。

採用サイトでは、「キャリア事例」として6名の社員をピックアップし、それぞれのケースによるキャリアモデルを紹介しています。

多様な職種を経験してキャリアアップした社員、再雇用制度を利用して復帰した社員、産休・育休後に管理職になった女性社員など、多様なケースを見せることで、同社の多様性や活躍できるフィールドの広さがしっかりと伝わります。

自社のキャリアパスに対する考え方の発信とあわせて、このようにさまざまなキャリアの選択肢を見せていくのもよいでしょう。

インフラテック株式会社

インフラテック株式会社は、鹿児島県鹿児島市に本社を構え、土木・建築分野で使われるインフラパーツの製造販売や、建築工事を手掛けている会社です。

同社の採用サイトは、明るさや柔らかさを感じさせる、色彩豊かなデザインが印象的です。

「WORKS|仕事について」コンテンツ内の「キャリアステップ」のページでは、「設計開発職」「工場管理職」「施工管理職」「営業職」「技術営業職」の5つの職種をピックアップ。

各職種のキャリアの流れを「入社1年目」「独り立ち後」「さらなるチャレンジ」の3つのステージに分け、どのように成長していくのかをイラストも取り入れながら説明しています。

職種名をクリックすると該当箇所にすぐ飛べるようになっているなど、情報の探しやすさ・見やすさの面でもよく工夫されているコンテンツです。

まとめ

採用サイトでキャリアパスの情報を提供することは、企業と求職者の双方にとってメリットがあります。

求職者は自身の興味やスキルに合ったキャリアパスをより具体的に想像でき、企業にとっては自社にマッチする意欲的な人材を採用しやすくなります。

ただし、キャリアパスに関する情報は、就業前の求職者にとってはどうしてもイメージを描きにくいものであるため、できるだけわかりやすく伝えることが重要です。

図やグラフなどを活用したり、実際の社員の成長事例・ストーリーなども交えたりしながら、求職者に強い関心を持たせるコンテンツを作成してください。

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